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ページ4

貴方side


ふと目を覚ます。

時計は朝の三時を示していた。



貴方『嗚呼……寝落ち、ですか』



ずっと座っていたことで痛む背中や腰。

貴方『もう若くないですね……』



コキコキと音を鳴らしながら

着物の帯を解いていく。



脱いだ着物を着物専用のハンガーに掛ける。

そのままタオルを掴んで風呂へ入る。



貴方『六時に此処を出るとして……
あと1時間ほど仮眠を取るとしましょうか』


濡れた髪をかきあげて泡を流す。


貴方『小競り合いとは云え
マフィアが出るならば身嗜みは重要、ですね』


タオルで髪と体を拭きながら浴室から出る。



髪がほとんど乾いた頃

肌襦袢に腕を通して軽く縛る。



手元の時計を一時間後にセットし

そのまま布団に入り込み毛布を被る。

──────



貴方『…寝れませんね』

時計を見れば三十分は経っていた。


もう善いか、と溜息を吐いて

簡易的な台所に向かう。



冷蔵庫を覗いて直ぐに閉じた。



貴方『……食糧不足』

中身はすっからかんだったからだ。



適当に食パンを咥えて珈琲を淹れる。

…作之助もこんな食事をよくしていたな。



怒られそうだ、と独りで苦笑して

パンを珈琲で喉に流し込んだ。



しんみりした気持ちは

莫迦みたいに熱い珈琲が蹴飛ばしてくれた。



貴方『さて…下調べといきましょう』

パソコンを開いて"小競り合い"について調べる。



貴方『…ふむ、双方共に被害が……』

カチカチとマウスを叩いていく。


貴方『無理にでも止めた方が得策ですかね』

ウィンドウを閉じてパソコンも閉じる。




肌襦袢の上にきちんと着物を着て

さらに羽織も肩にかける。


帯に日本刀を吊るす。

着物の内側には二丁の拳銃をしまい込む。


……これでも作之助と渡り合う実力だ。

勿論、異能力の分は作之助が強かったけれど。




時計を見れば未だ五時。

…朝の空気を味わうとしましょうかね。


相変わらず睡眠時間は少ない。

お嬢様に知られたら怒られてしまうだろう。



自嘲気味に笑を浮かべ玄関の扉を開く。



未だ日が昇りきっていないため

薄紫に近い空色だった。



新鮮かつ冷たい朝の空気を吸い込んで

ポートマフィアの建築物へと足を向けた。

に→←ろ



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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年4月29日 19時

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