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ページ15

貴方side



芥川君と中島敦君の戦い。

それはとてつもなく激しい戦いだった。



中島敦君についてある程度は調べた。

孤児で、異能力者だった彼は

孤児院で酷い扱いを受けていた。



芥川君も孤児で貧民街で暮らしていた。

彼もまた酷い目に遭っていた。



貴方『入る組織が違うだけで……
此処まで考え方が変わるとは…』



時折こちらに飛んでくる破片やらを

確実に払いながらお嬢様を守る。



やがて罠で誘い出された中島敦君は

芥川君の異能をくらい海へと落ちていく。



貴方『……!』



何か、白い紐のような物が…芥川君に……



そう思った時には

芥川君は中島敦君に引かれて落ちていく。



貴方『アレは、虎の尾……!?』



芥川「ッ…"空間断裂"!」

異能を発動する芥川君。



それでも雄叫びを上げた中島敦君は

芥川君へと拳を叩き込む。



貴方『……勝負はついたようですね』



グラリと身体が傾いて落ちていく芥川君を見て

私はゆっくりお嬢様を揺らす。



貴方『お嬢様、お嬢様。脱出しますよ』

鏡花「ぅ……」

貴方『中島敦君が勝ちましたよ。
さぁ、助けに行きましょう』

鏡花「…判っ、た」



起き上がったお嬢様をコンテナから降ろし

中島敦君の救出を促す。



貴方『お嬢様、此方に探偵社の小型船が』

鏡花「うん」



中島敦君の肩を組んで歩くお嬢様。



貴方『…随分と、逞しくなられた』

鏡花「…?」



輸送船から下を見下ろせば

先程の男性は此方に気付いた様だった。



男性「!おい、夙く脱出しろ!!」

貴方『ええ、直ぐに』



私は頷いてお嬢様の背中を押す。

勿論、着地する角度を計算した上で。



鏡花「ッ…!?」




ドサリと音がして

小型船に横たわるお嬢様と中島敦君。




貴方『お嬢様、ご無礼をお許し下さい』

鏡花「ッ、A…!早く…こっちに…」

男性「小娘の連れか!?ならば貴様も…!」




私は姿勢を正してお嬢様に頭を下げる。




貴方『直ぐに、追います』

鏡花「!?なら……」

貴方『未だ、やり残した事がありますので』

鏡花「待っ……」




お嬢様の返事を待たずに

()は踵を返して炎の中に飛び込む。




杏っ子を飛ばして芥川君を探し出し

炎を背後に応急処置をしていく。




情が移った訳じゃない。

ただ、見殺しは出来なかった。














.









貴方『作之助なら君も助けただろうからね』

よ→←わ



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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年4月29日 19時

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