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人を殺して死ねよとて(後編) ページ5

貴女side


貴女『…ッ 』

梶井が窓に寄りかかる与謝野先生を覗くと


左頬を殴られて吹っ飛んだ



与謝野「んーイマイチだねェ もっと飛ぶかと」

貴女『あらァ……ナイスショット』←

与謝野「イマイチだよ、こンなの……」

貴女『お厳しいですね(笑)』


梶井「はがっ…な、何故」

向かいの椅子で悶えてるや


与謝野「あんなネズミ花火でタヒぬもンか」

与謝野先生が梶井さんの胸ぐらを掴んで云う


与謝野「あー、今殴ったのどっち側だっけ?」


梶井さんが左頬を指さすと

案の定、与謝野先生に殴られて吹っ飛んだ



与謝野「これで平等(イーブン)だ」


梶井「そんな…先まで瀕タヒだった筈……」


与謝野「こう見えて妾は医者でね
アンタの百倍はタヒを見てる」

与謝野「『タヒ』とは何かって?教えてやるよ」


与謝野「タヒは命の喪失さ」


与謝野「妾達医者が凡百手を尽くしても
患者の命は指の間から零れ落ちる」









与謝野「゛タヒが科学の究極゛だと?

巫山戯るな!」








与謝野「命を大切にしない奴は
ぶっコロしてやる」



待って、与謝野先生(汗)矛盾してないですか?


まぁ恰好いいから善いんですけど←



梶井「思い出した…探偵社の専属医 与謝野」

梶井「極めて希少な『治癒能力者』だと」


与謝野「私の能力『君死給勿』は
凡百外傷を治癒させる
自分の怪我だってこの通り」


与謝野先生は踵を返すと

自分の鞄を開け、何かを取り出し始めた



与謝野「ただ、条件が厳しくってね」



与謝野「瀕タヒの重傷しか治せないのさ
これが実に不便でねェ 」


与謝野「何しろ……」



与謝野「程々の怪我を治そうと思ったら
まず半ゴロしにしなくちゃならない」

梶井「な……」


与謝野「……おやァ?」



与謝野「怪我してるねェ 治してやろうか?」

────『君死給勿』


(なた)を持ち、不気味な笑顔で

云う様子は恰好いいような怖いような



梶井「ひっ ひぎゃあぁぁああぁあ」


貴女『怪我治るなら善いじゃないですか ねぇ』

与謝野「そうだよ、感謝しな」


貴女『敦さんの所に行って来ますね』

与謝野「気を付けなよ」


貴女『…大丈夫です!』



梶井「(…Aさん、何故、探偵社に…)」

敦と泉鏡花→←人を殺して死ねよとて(後編)



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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年3月13日 18時

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