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夢主の過去・七 ページ19

織田side


『敬語はやめて下さい』


お願いします、そこまで頼まれたら

断る訳にはいかない

これも一つの命令として受け取ればいいか、


そう思い、肩をすくめて答えた


『私は自分の存在を隠しています
やたらに話せないのです

だから、今お話したお兄さんに
教えて貰いたいんです!』


この子は何故だか強くなる気がした


なんというか、気迫の様なものを感じたのだ


織田「少しなら…かまわない」


目元はフードで隠れているが

子供の口元が緩んだ様に見えた


『本当ですか!』

何時までも敬語じゃこちらも

打ち解けられないな、ならば


織田「君が敬語をやめてくれたらな」

ニヤと笑って云うと


『勿論です!あ、』

元気よく言ったものの慌てて口を隠した


つい笑いが零れた

織田「ふふっ、じゃあ少し待っててくれ
これを終わらせたら今日は暇だから」

そう云って柄杓を掴むと


『私も手伝いたい!』


こちらに近寄ると靴を脱ぎ始めた


織田「いいのか?」

『私も暇なの』


靴下を脱ぎ終わると拳銃ホルダーを外した


靴を揃えて溝の中に入ってきた


私は桶を渡して

二人で掃除を始めた



質問に答えたりしながら


一時間程経った頃

泥は全て無くなっていた


『如何かな?』

織田「上出来だ」

『やったー!』


拳銃を教えるにも汚すぎる


織田「手と脚を洗わねば」

ついでに服も変えないとな


『じゃあシャワー室行こ?』

子供に手を引っ張られる


ふと、子供が

『お兄さんじゃ長いからさ、作兄でもいい?』



織田「作兄…か、兄とは照れくさいな」


こちらを見上げてにっこりと笑って言う

フードが外れて

銀色の髪と閉じた目があらわになった


左目の様子が少しおかしかったが

また、いずれ聞けるだろう


と、あまり気にしなかった


『決定!』

ニコニコ笑っているこの子供の名を知らない


織田「ところで君はなんという?」


問うと泥だらけの手でピースサインをつくり


『私は月乃 A!宜しくね!』



自分の存在は秘密だ、と

Aが言ったから彼等には話せないか?


そう思っていたら

『今度、作兄の友達について聞かせて!』

『出来れば会ってみたいなぁ』


……秘密ではないのか?


私は困った結果


Aが良いなら今度、機会を作ろう

そう答えておいた

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年3月13日 18時

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