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「よう来たなあ。上がってきや。」


『お邪魔します!』





Aはしっかり靴を揃えて家に上がる。

北の祖母もウンウンと頷いて招き入れる。





「Aちゃんが兵庫に来るんは何年ぶりやろなあ
ばあちゃん会えて嬉しいわ。」


『私も会えて嬉しい!
あ、これ東京のお菓子のお土産!皆で食べて!』


「ありがとうな。大事に食べるわ。」





お菓子を机に置いて

北祖母はニコニコと話し始める。





「今日は1人で来たん?」


『うん!
兵庫に仲の良い病院の先生が居て診てもらいに。
東京の友達にお土産買いにこっちに来たから。』


「なるほどなあ。日帰りなん?」


『ううん。駅前のホテルを予約するつもり。
今探してるところ。』


「ホテルなんてお金かかるやろ。
ウチに泊まっていけばええよ。」


『いやいや!急に来たから迷惑でしょ?』


「Aちゃんは高校生なんやから
遠慮したらあかんよ。
せっかく久しぶりに会えたんやし
もっと話したいしなあ。」





断るのも申し訳なくなる雰囲気になり

Aは頷いて礼を言う。





「ふふふ、信ちゃん驚くやろな。
せや、Aちゃんお使い頼んでもええ?」


『!いいよ!』


「ありがとうなあ。
ほなこれに書いてあるのを頼むわ。」


『分かった!
……あ、信介君は出掛けてる?』





Aはメモに書かれた

豆腐、挽肉の字を見て思い出したように尋ねる。





「信ちゃんはまだ部活やっとるよ。
お使い終わる頃には部活も終わるやろ。」


『行っても大丈夫かな……?』


「迎えに行ってあげたら喜ぶんちゃうかな。」


『!』


「でも生物も買って欲しいから
一旦帰って来なさいね。」


『アッ……うん!分かった!行ってきます!』






北祖母の行ってらっしゃいの声を聞き

Aは近くのスーパーへ走る。






メモに書かれていたのは

北信介の好物、豆腐ハンバーグの材料や

Aの好きな肉じゃがの材料。






『さすがおばあちゃん……』






Aは何度かスーパー内で迷子になりながらも←

食材をカゴに入れていく。
.






買い物袋(エコバッグ)を手に提げ

Aは来た道を足早に戻る。





『ただいまー!』


「おかえりぃ。ありがとうなAちゃん。」


『ううん!泊めてもらうんだから
これくらいは当然だよ!
あ、信介君とこ行ってくるね!』





Aはそう言って再び外に出ていく。

スマホの地図を片手にバスに乗った。

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年3月25日 22時

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