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「おう、Aか。」


『お疲れ様です猫又監督。武田先生。烏養コーチ。
ああ、あと直井コーチも。』


「俺はついでかよ。」





あはは、と真顔で笑うA。悪意しかない。





「水瀬A……だったよな?」


『はい。』





烏養が尋ねる。





「てっきり新山とかに行くと思ってたんだが……
やっぱり怪我は大きかったのか?」


『……前みたいなプレーは出来ない、と
ドクターストップがかけられる様になりました。』


「バレーは出来るのか?」


『はい。』





力強く頷くA。

変わらずバレーは大好きなのだ。





「他校でも女バレっていう道は……」


『ありません。』


「「!」」





その言葉に烏養も武田も驚く。

出来ると言ったのに

バレーはしない、と言い切ったのだから。





『ドクターストップがかかるせいで
最後まで全力のプレーが出来ないならやりません。
バレーで妥協なんてしたくありませんから。』


「……Aさんはバレーが大好きなんですね。」


『はい!』






ニッと笑うA。

猫又や直井は愉快だ、と言うように笑った。






『そう言えば烏養コーチと武ちゃ……武田先生は
東京ばな奈、お好きですか?』


「お前……他校の先生まであだ名で……!!」


『しょうがないじゃないですか!!
先生だなんて知らなかったんですから!!!』←





直井をキッと睨みながら叫ぶA。

コイツ……楽しんでやがる。





「ぼ、僕は気にしませんから大丈夫ですよ!
他の生徒さんの前でだけ気を付けて貰えれば……!」


「甘やかしちゃダメですよ武田先生!」


『ホラ!!武田先生もそう言ってるんですから!!
ってそんな事はどうでも良いんですよ!!
東京ばな奈お土産に持って来てるんです!
アレルギーとか無ければ貰って下さい!』←


「お前練習試合を何だと思ってんだ??
旅行じゃないんだからな??」


『何を言っているんですか。
相手の学校に対しての敬意ですよ敬意。
〜ありがとうの気持ちを込めて〜ですよ。』


「口だけは達者だな。」


『ありがとうございます♡』←





バチコン、とウインクをキメるAに

烏養がポツリと呟く。





「…………何か思ってたのと違う奴だな。」


「バレーする時は真面目なんだがな。」


「意外な一面もあるものですね。」






Aは楽しそうに笑うと

また後で、と体育館に戻って行った。

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年3月25日 22時

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