幼馴染は凄い【ハイキュー!!】【音駒】 (ページ29)

今日:4 hit、昨日:70 hit、合計:452,991 hit

・ページ29

no side

バシィッ、と乾いた音がしてボールが跳ねる。

「す……すっげぇ……」

「あんなに跳べるのかよ……」

「烏養君……これ男子用のネットですよね？」

「ああ……」

「ｯ……！！ｯ！！」

『影山君……！？』

興奮でキラキラしている影山に

Aが慌てた様に話しかける。

『と、とりあえず！
めちゃくちゃ良いトスだったよ！凄い！打ちやす！』

「あ、あざっす！！
先輩もっ、そのっ、こう……凄かったです！！」

『あ、ありがとう！
でも……前より威力落ちちゃった、かな。あはは…』

Aは少し悲しそうに右の手のひらを見る。

「さすがに現役じゃねぇんだ。
少し威力が落ちるのは当たり前だろうが。」

『ですよねぇ……』

「まぁ……まだ１本目だ。ほれ、打ってこい。」

『はいっ！』

猫又にそう言われ若干やる気を出したA。

バレーが出来て嬉しそうである。

『影山君！もう１本！！』

「はい！！」

影山がボールを手に取る。

「……よく見とけよ。」

「烏野もだぞ。ちゃんと見とけ。」

猫又はどこか楽しそうに言い、

烏養も何かを思い出したかのようにそう指示する。

「行きます！」

ト、と小さく音がして

ボールは弧を描きトスが上がる。

キュ、と体育館シューズが擦れる音がして

踏み切る音が大きく響く。

力強い跳躍でAの右腕が上にあがる。

手のひらがボールをとらえた。

『ﾌﾝｯ!!!!』

ギュゥン、と効果音が付きそうなほど

回転のかかったボールは床にぶつかる。

「すげぇ回転！！」

「Aさんカッコイイっス！！」

「さすがだべ……」

ストッ、と静かに着地したAは

皆の視線を感じ肩を揺らす。

『おっ…おっ、』

「ビビりすぎ(笑)」←

『(笑)がうざい。』←

「Aナイスキー！」

『夜久さん大好き。』←

何度か見たことがある音駒側は

ナイス、ナイスと褒め称える。

ほぼ初見である烏野側は

Aの跳躍力と回転の威力に目を見開く。

「Aちゃん凄いね。びっくりした。」

『潔子さん！ありがとうございます！』

きゃー、と嬉しそうに叫ぶA。

清水潔子の美しさは女子にも通用する。

(Aが不細工とは言っていない。)

「先輩さすがですっ……！」

『影山君のトスが良いからだよ！』

「あざっす！！」

Aは最後の一球を手に取った。