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捨壱 ページ14

貴女said


────ギャァァァァァ

この悲鳴を聞くのは何回目だろうか


全ての悲鳴が私の口元から聞こえる


貴女『フー…フー…』

強く匂うのは血の匂い


月光「主様、お身体が…」


すぐ横で寄り添う様に話し掛ける月光

彼の柔らかな毛が当たる


貴女『…月光…私の心配は要らぬ
今は奴らを…この森に害をなす奴らを排除せよ』

月光「しかしっ…」

貴女『…聞けぬのか』


今は…駄目だ

私の身が朽ちようと

この山を守らねばならぬ


私の代わりはいる

月光…お主だ

お主になら任せられる


この戦…私にとって最後の戦

勝ち星をあげねばならぬ



月光「ッ…」

貴女『心配ご苦労。……ゆくぞ』

月光「は……」


地を蹴り宙へ身を躍らせる

その間にいくつかの妖を噛んだ気がする


貴女『クッ……』

脚に力が入らない


頭へと向かってくる妖力を感じる

……動けない









……私の役目は終わりか

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年10月28日 21時

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