【文豪ストレイドックス】義妹は探偵社員と恋をする

夢主の過去・其の陸 ページ12

福沢side

乱歩を助ける為

軍人5人を倒した

そして……乱歩を打った



やりすぎだ、
大音声で怒鳴り平手打ちまでしてしまった


乱歩「だって、だって───」

如何すればいいか、判らなかったから
頭をぽんぽんと、軽く二度撫でてやった



乱歩「ごめんなさい──ごめんなさい──
ごめん、なさい───！」


困った……俺は如何すればいい

磨いたように白く丸い月と目が合った

そっと視線を投げかけた



その時


唸るような声と、物音が微かに聞こえた

乱歩にも聞こえたらしい

涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、動きを止める


まだ敵が残っていたか……？


物音は地下からだ……

乱歩「福沢さん…如何するの……？」

福沢「鎖の音もする、敵では無いかもしれん」

乱歩「そう云えば入口付近に階段があったよ」

福沢「嗚呼……」


階段か……其処で間違い無いな……

福沢「乱歩……行けるか？」

乱歩「うん…大丈夫」


乱歩を後ろに連れて廊下を進む


階段はすぐに見つけた


降りるにつれ、唸り声と鎖の擦れる音が
大きくなっていく……


重厚そうな扉に手をかけ、ゆっくりと開ける

其処に居たのは……






あの子供であった

福沢「お前は……」

貴女『……！』

猿轡を噛まされている…否、目が…潰れている


鎖を外し、猿轡も外す

福沢「大丈夫か」

乱歩「福沢さん…知り合い？」

福沢「嗚呼……今朝会った子供だ」

貴女『お……おにいさ……ん
良かった……お兄さんだった……』

乱歩「左目が……」

福沢「病院へ連れていこう」

貴女『ごめ……なさ……い』


幼体では耐えきれぬであろう傷を負って

気を失ってしまった……

命に別状はないだろう、

福沢「乱歩、病院へ行くぞ」

乱歩「うん、判った」

ーーー

病院にて

福沢「これで善いのか？」

医者「はい、
毎日包帯は取替えてあげて下さい」

福沢「承知した、では失礼する」

治療費を払い、この子を抱え病院をでる

乱歩も不思議な顔をしてついてくる

乱歩「福沢さん、この子は誰？名前は？」

福沢「……知らん」

乱歩「え……名前知らないの？」

福沢「今朝会っただけだからな」

貴女『ん……』

乱歩「あ、目が覚めた！」

福沢「大丈夫か？」

貴女『あ……お兄さん！イテッ……』

福沢「包帯は取っては駄目だぞ」

貴女『ホータイ？この目に付いてるやつ？』

福沢「そうだ」

ーーー
文字数……

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