第二十四話 ページ26
斜め上から刺さる視線。
｢えっと、その、違うんです。いや違わないのだけれど、そうじゃなくって…｣
必死に説明しようとするが、ただでさえ寝不足で回っていない頭にパニックが加わり、自分でも何を言っているのか分からなかった。
言ってしまった。
聞かれてしまった、この男に。
｢誰のせい、だって？｣
小首を傾げ、どういうことかなと目を細める。
｢いや…その｣
｢嗚呼、もしかして…僕の事を一晩中考えてたって事かな？｣
もしかして、なんて口では言いながらもその青い目には楽しげな色が浮かんでいる。
余裕ある彼の様子に、焦りが怒りへと変わっていく。
ここでむきになれば負けだ。
そんなことは重々承知している。
だが頭では理解していても、人の感情というのはそう簡単にコントロールできるものでは無くて。
｢貴方のせいよ！｣
静まり返る室内。
彼は黙って続きを促す。
｢貴方が昨日…そうよ、急に…あんな冗談を言うから…｣
勢いよく一言目を発したものの、そのせいで我に帰り怒りが萎んでいき、つられて段々と小さくなっていく声。言いたいことは沢山あるのに、してやられてばかりの悔しさにただ唇を噛み締める事しか出来ない。
｢…ふうん｣
ジョゼフは目の前の少女をじっと見つめる。居心地が悪いのか、Aは視線を逸らした。
｢冗談じゃないんだけど、ね？｣
真っ直ぐな目で、そう伝える。
それから長い爪で傷付けないように、指の腹でAの頬をそっと撫でた。たったそれだけなのに、異性に免疫のないAは耳まで真っ赤にしてしまう。
｢〜っ、余計にタチが悪い！もう良い！｣
ジョゼフの手を払い、その場から逃げるように走り去る。
触れられた部分を手で覆う。
一度熱をもったそこは、中々冷めてくれない。
＿心臓が、うるさい。
胸に手をあてる。
まるでゲームが終わった直後のように激しく脈打つ心臓。
やっと辿り着いた部屋の扉を閉めるなり、Aはずるずるとその場に崩れ落ちた。
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ゆう - おジョゼかっこいい！ (2021年3月21日 21時) (
レス) id: fdf829f708 (このIDを非表示/違反報告)
シマエナガ(プロフ) - 要さん» そうだったんですね...汗 素敵なお話なので是非残してください！ (2019年2月16日 22時) (レス) id: 56182cb6ed (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - シマエナガさん» ありがとうございます！そうなんです、書いた後にそれを知って泣 消すのも勿体なかったのでそのままでいかせて貰いました、、、！ (2019年2月16日 2時) (レス) id: 85394da7f9 (このIDを非表示/違反報告)
シマエナガ(プロフ) - いつも陰ながら応援しています...！ジョセフさんかっこよくて素敵です泣 これからも楽しみにしてます！ それと余談ですが、バレンタインに女性からチョコを渡すと言うのは日本だけらしいです...(でも可愛いお話で好きです...！) (2019年2月15日 23時) (レス) id: 56182cb6ed (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - ナ子さん» ありがとうございます〜！そう言って頂けると嬉しいです！頑張ります〜！ (2019年2月14日 7時) (レス) id: 85394da7f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：要 | 作成日時：2019年2月11日 4時
