第十二話 ページ14
_試合予定時刻。
『試合はとっても意地悪なの』
その言葉が何度も頭の中でこだまする。
「…A、大丈夫?」
ゲーム会場に行く為の椅子に腰掛けたAの手を、エミリーがぎゅっと握る。
「うん、大丈夫…」
本音を言うと少し怖い。
だが食堂で約束してしまった手前、一方的に投げ出す事も出来なかった。
「そんなに気負わなくて良い、捕まったら助けてやるから」
「ありがとう、ナワーブ。お願いするね」
「あら、Aには甘いのね貴方」
「何のことだか」
ウィラのからかいにナワーブが肩をすくめたのと同時に、A達は急激な眠気に襲われた。
_ホワイトサンド病院
「えっ?なにここ…」
気が付くと廃れた病院にひとり立たされていた。
館に入る前の様な冷たい空気に、ひりひりと皮膚が痛む。
ルールやマップについてはあらかた理解したものの、この病院について誰かからも聞いた記憶は無い。
_誰もこの場所を知らない…ってこと?
不安に押し潰されそうになる心を無理矢理奮い立たせ、Aは解読を始めた。
暫くして、ふと自分の能力を思い出す。
「口寄せすれば…」
皆にハンターの位置情報を知らせられる。
どうせ初陣なのだから、試せるものは試しておくに越したことはない。
早く慣れれば慣れるほど足を引っ張らずに済む。
Aは両手を合わせ、目を瞑った。
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ゆう - おジョゼかっこいい! (2021年3月21日 21時) (レス) id: fdf829f708 (このIDを非表示/違反報告)
シマエナガ(プロフ) - 要さん» そうだったんですね...汗 素敵なお話なので是非残してください! (2019年2月16日 22時) (レス) id: 56182cb6ed (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - シマエナガさん» ありがとうございます!そうなんです、書いた後にそれを知って泣 消すのも勿体なかったのでそのままでいかせて貰いました、、、! (2019年2月16日 2時) (レス) id: 85394da7f9 (このIDを非表示/違反報告)
シマエナガ(プロフ) - いつも陰ながら応援しています...!ジョセフさんかっこよくて素敵です泣 これからも楽しみにしてます! それと余談ですが、バレンタインに女性からチョコを渡すと言うのは日本だけらしいです...(でも可愛いお話で好きです...!) (2019年2月15日 23時) (レス) id: 56182cb6ed (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - ナ子さん» ありがとうございます〜!そう言って頂けると嬉しいです!頑張ります〜! (2019年2月14日 7時) (レス) id: 85394da7f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:要 | 作成日時:2019年2月11日 4時