今と未来、僕と君 11 (ページ42)

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モモタロス『あぁ、2人だけとは…最初に戻ったみてぇだな』

名前を呼ばれたモモタロスのテンションは

戦いの前だというのにやけに静かで低く

ショックを受けていることを隠しきれていない

良太郎はその言葉に返事をすることもなく

黙ってベルトを装着

良太郎｢変身｣

モモタロス｢俺、参上！！｣

本当に最初の頃のようだった

変身するフォームもたった1つ

聞こえる声も、たった1人

取り合いも、何もない、たった1人になった味方

イマジン｢電王…また1人でコロコロ早変わりでもしてみせるのかぁ！？｣

イマジン｢さっさとやられて記憶の核を差し出せ！！！｣

そんなことを知るはずもないイマジンは

早変わり、とこの間のことを口にした

今になってそれがとても切ない

もうありえない話なのに

そんなイマジンに対してモモタロスは

モモタロス｢テメェにそんな必要はねぇよ！！｣

モモタロス｢そんでもってAは渡さねぇ！！｣

いつも通りに返した

代わる必要はない、1人で足りる

いつもと違った意味に聞こえるその言葉

モモタロスとイマジンはほぼ同時に走り出し

斬りつけあった

だがモモタロスの攻撃は全くと言っていいほど

イマジンに当たらない

モモタロス｢クソッ…！｣

当たらないどころか逆に攻撃を決められている現状

モモタロスは今日どこからどう見ても調子が悪い

イマジン｢フハハハハッ！！！｣

イマジンの攻撃を真正面からくらったモモタロスは

軽く吹き飛び地面に背をつけた

イマジン｢どうした、電王はもっと強いと聞いていたが？｣

本調子じゃないモモタロスを煽りまくるイマジン

モモタロスは木の幹の影に隠れて様子を伺う。

モモタロス｢クソッ、どうにもクライマックスにならねぇな…！！｣

苦戦するモモタロスが珍しくそう口にするが

良太郎『でも…やらなきゃ…！』

良太郎は諦めてなどいなかった

自分とモモタロス、2人で勝つつもりでいる

モモタロス｢そうだな、代わりは呼べねぇからな｣

1度踏み込んでしまったらもうあとには引けない

代わりは誰1人いないのだから