俺はただ、一生懸命に生きる 10 (ページ7)

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和side

開場時間ギリギリまでリハーサルをやって

やっとコンサートをスタートできた

開演前に廊下で
アーティストとか、他のスタッフからも『いてくれて助かったっ！』って最高に嬉しい言葉をもらった

お礼を言いたいのはこっちの方なのに

みんな自信に満ち溢れたいい顔してて

やっと、、

やっと始まる

俺たちの祭り。

俺も登場の瞬間を見たくて

アリーナに降りた

照明がサッと暗くなって上がる歓声

巨大スクリーンに映し出された映像のあと

舞台下からジャンピングアップで上がってきた

最高の笑顔をもつアーティスト

涙が止まんなかった…

このためにみんな寝る間も惜しんで努力して

やっと作り上げた舞台

キャーーッ！！って黄色い歓声に

ペンライトで埋め尽くされた海

音楽も、照明も、アーティストのポテンシャルも、お客さんも

全てが一体となって作り出された空間が

すごく輝いてて

幸せに溢れてる

オープニングが終わると

俺は上の階の関係者席に、、、

全体を見渡せる席から

明日のための変更点を書き出して記録する

一応仕事だから

見るのだけを楽しむわけにも行かなくて

コンサート終演後も残って

今日の反省会

明日また最高の舞台を作り上げるために

手は抜きたくないからね、、

今日の映像なんかも確認しながらの微調整をして

やっと帰れたのは

午前２時を回ってた、、、

ヤバイな…とは自分でも思いつつ

恐る恐る

スマホを開いた、、

ドバァーーっと送られてきてるメッセージに

10回を超える着信…

やばいやばい、って思いつつも

翔ちゃんに電話をかけると

2コール目で

翔『っ！かず！！！？』

『あ…うん、、、ごめんね遅くなって、、』

翔『もう、、っはぁ…よかった、、やっと繋がって…』

すごい焦ってたみたいで

『ごめんね、終わってからも仕事残ってて…』

とりあえず誤った

翔『こんな遅くまでやってたの？』

『うん、、明日の変更点確認したりね…』

翔『そっかぁ、、がんばってるんだもんな。お疲れさま。』

『うん、絶対全公演成功させたいから…』

翔『ふふっ、お前なら大丈夫だよ。体の調子はどう？体温送られてきてないけど…』

『あ、、、』

やばいな、、、

すっかり忘れてた…

『ごめん今計るね…』

翔『疲れてるみたいだし、顔色も少し良くないんじゃない？』

『いや、、そんなことないよ…』

テレビ電話だから分かっちゃうのかな…