No mouth to the dead～そして誰もいなくなる？ (ページ7)

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＿episode5 ページ7

＿side.紫藤煌

煌「う…ッ」

くらくらする頭を押さえて立ち上がる。

私は……デスゲームに参加して、それで……ここに飛ばされた。
今までのことを思い出そうとすると、さっきの光景が頭に浮かんだ。
開始前に感じた死の気配が背中を走る。

＿＿＿夢じゃ、ないんだ……。

でも、これも家族の為、そう自分を鼓舞して辺りを見回した。
鬱蒼とした森の中のようだ。人の気配はない。

腰に下げた銃を握りしめ、とりあえず恋人である玲を探そう、と思い歩き出した。

幸い、そう時間もかからず見つけることができた。
きょろきょろとあたりを見回していたので、背後から近づいて声をかけると肩を跳ねさせて驚いていた。

綺麗な青い髪を揺らし、深海のような深い青を湛えた瞳で見つめられる。
彼の表情は読み取りづらいが、何となく雰囲気で会えたことを喜んでいることが分かる。

煌「＿＿＿これからどうしよっか」

玲に話しかけると彼は少しぶっきらぼうに、

玲「まず、食料の確保かな。幸い、この辺にはリンゴが生ってる木があるし」

と答えた。

煌「じゃあ、私取ってくるね」

というと、玲は心配なのか、「俺もついていく」と言っていたが、ちょっとそこまで行くだけだから大丈夫、と言って説得して一人で行った。
玲にもしものことがあったら、と思ってのことだ。

木の上になっているりんごを背伸びして回収して、そろそろ持ちきれなくなったから戻ろうか、と考えていると後ろから声をかけられた。

???「ねぇ、君」

驚いて振り返ると、そこには顔を布で覆い、顔が見えない人がいた。
いつの間に、と思わず銃に手を添える。
片手を腰に回したため、りんごがいくつか地面に落下した。

煌「何か用すか？」

警戒しつつ問いかけると、「名前は」と聞かれる。
正直に答え、相手にも名前を聞くと、彼(彼女かもしれない)は東宮瑛と名乗った。

とりあえず危険そうではないか……？と、私は銃から手を離した。

＿＿＿＿＿＿