Zoe (ページ36)

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14 - 分からなくてもページ36

Doyoung side

JY「ゾイ、立ち位置こっちだよ」

「ごめんなさい」

JM「あれ、こっち来ちゃったの？」

「あ、ここじゃなかった」

CL「ヌナそこの振り、右手が」

「さっきも同じとこダメだったのに…」

2020の全体練習。振り入れが終わって全員で合わせる段階の今だけど、今日は有り得ないくらいにAのミスが多い。コンディションが悪いのかなんなのか、とにかく先生に名前を呼ばれる数も多いしメンバーから教えてもらってる姿も多く見る。

指摘される度にぺこぺこ頭を下げるAはどこか上の空で。踊ってるうちに暑くなって脱ぐメンバーや水分を大量に摂るメンバーもいるのに、Aだけは分厚いパーカーをしっかり着て、テヨンイヒョンから缶のココアなんてもらってた。

JN「ヒョン」

DY「お〜ジェノヤ、どうしたの？」

JN「Aどうかしたの？」

DY「あ〜…それが俺もわかんなくて」

休憩中、話しかけてきたのは可愛い可愛いジェノ。黒目がちな目が心配そうにAを見つめてる。当の本人は座ってボーッとしてるけど。

TN「大丈夫？しんどくない？」

「大丈夫です、ごめんなさい何回も練習止めちゃって」

TN「や、テンはいいんだけどね、平気かなって」

RJ「マジで何したの？熱ある？」

「ないよ、大丈夫、ごめんね」

テンとロンジュンにそう答える顔はいつも通りだけど、いつもと違うのは分かる。気合を入れるように目を瞑って頬を叩いたAに、俺も練習に戻った。

WI「わ、A、」

JH「大丈夫？立てる？」

練習再開から三十分くらい経った頃。ウィンウィンの前でふらついたAが、その場でお腹を押さえてしゃがんだ。ジェヒョンの声に首を縦に振ったAだけど、一向に立てそうにない。

TY「A？大丈夫？」

センターの位置にいたテヨンイヒョンがメンバーを掻き分けてAの隣にしゃがみ込んだ。テヨンイヒョンの声に首を横に振ったAは、差し出されたヒョンの手を握ると一気に目を潤ませる。

TY「気づけなくてごめんね」

YT「ゾイちゃまほら、乗りや」

何かを察したらしいテヨンイヒョンがワタワタして謝りだして、ユタヒョンが膝まづいて背中に乗れと言う。泣きそうな顔をしたAが遠慮がちに背中に抱きつくと、ユタヒョンとテヨンイヒョンはみんな休憩しててーと言い残して出ていってしまった。