Zoe (ページ17)

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Haechan side

あの日からAはあんまり話さなくなった。元々口数が多いタイプじゃないけど、それでも静かな子ではないし。

公式からの発表をウィンウィンの代わりにジョンウが加入したと受け取ったファンの方が叩いているとかなんとかで最近はみんな疲れてる様子で。

「ヘチャンくん、今ちょっといい？」

HC「うん。入っていいよ」

「失礼します… あ、でもわたしのお部屋の方がいいかも」

HC「ああ、ジャニヒョン寝てるから？」

「うん。あとお菓子あるから、ヘチャンくんが好きそうな」

HC「え〜マジ？男からもらったやつはイヤだよ俺？」

「ヘチャンくんはわがままだね」

久しぶりに話すAに緊張してたけど相変わらずかわいい発言とか行動に頬ゆるっゆるの俺。最近疲れてんな〜なんかやる気出ないな〜って思ってたけどこれだわ。圧倒的A不足だったわ。

HC「いつ入っても綺麗だね〜俺ここ住んでいい？」

「ありがとう、はいこれ … 好きでしょ？」

HC「また高いやつじゃん。男からのはイヤだってば！」

駄々を捏ねながらもお菓子に罪は無いので食べた。前に座るAはなんだか前より痩せたように見える。吊り気味の綺麗な形をした目は疲れていて、なんていうかいつもよりもっと、怖そうな近づき難い美人のような。

「いろいろ考えたんだけどね、ウィンウィンオッパのこと」

「同じグループにいれるだけ幸せって思うことにしたの」

HC「うん？」

「オッパがここのメンバーだよって言ってくれてるのに、それをわたしが泣いてたら、オッパ、かなしいと思うし」

「ジョンウオッパが入るのも、オッパが自分の国で自分の言葉で活躍できるのも、テンオッパとクンオッパが固定のグループを持てるのも」

HC「…」

「ぜんぶぜんぶ、良いことだもん」

良いことだって話してんのにAの目からはずっと涙が流れてて、なんならまともに話せてもない。むって閉じた口は泣くのをもっと我慢してるようにしか見えないし。

HC「思ってないことばっか言ってるとちゅーするよ」

「… おもって、るし」

HC「嘘つけ。こっち向いて」

「むり」

頑固で泣き虫で俺にだけ甘えるのが下手なこの子を泣かせるのは許せないけど、泣くAを抱きしめながら泣くのを我慢してる俺も相当ウィンウィニヒョンのこと好きなんだな。テイリヒョンにもユタヒョンにも、Aにも負けないくらい。