困らせたい ページ4
今日は七海さんが仕事で、私が休み。
もうすぐ帰ってくるであろう七海さんを、少しだけ困らせてしまおうと思う。
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七海「ただいま帰りました。」
『ナ〜ナミン!お帰りなさい!』
私がそう言うと、七海さんは少し戸惑いつつ口を開いた。
七海「これは少し教えて差し上げる必要がありますね。」
『え...?』
そして七海さんの唇が私の唇を塞いだ。
七海「他の男にそのように愛嬌を振り撒いてはいけませんよ。」
『は、はい...。気を付けます...。』
七海「そういうことは、私にだけしてください。」
『今だって、七海さんだけですよ?』
七海「...全く、私もただの男ですからね。」
その言葉の意味が分からないままの私の唇を、再び七海さんの唇が塞いだ。
こんなに積極的な七海さんを見るのは初めてだけど、これ程に私を想ってくれていると思うと嬉しかった。
七海「どうも今日の私は我慢が効かないようです。」
『いいですよ、我慢なんかしなくて。』
七海「...煽ったのはAさんですからね。」
『え...?』
そして、私たちは甘く深い夜を過ごした。
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〜翌朝〜
私が目を覚ますと、隣で七海さんが私を静かに見ていた。
七海「おはようございます。よく眠れましたか?」
『おはようございます。七海さん、早起きですね。』
七海「本当は朝食を作ろうと早起きしたのですが、眠っているAさんを眺めていたらこんな時間に。」
『ずっと私の寝顔を見てたんですか?恥ずかしいですよ...。』
七海「寝ても覚めても、美しいですね。」
『はぁ、私が七海さんをちょっと困らせようと思ったら、逆に私が...。』
私がそう言うと、七海さんは布団の中で私の手を握った。
七海「こう見えて、私にも余裕はありません。ただ、男は余裕な振りをしてしまうものです。」
『確かに、そうかも知れないですね。男性は男性で、大変そうです...。』
七海「女性はそんな男の下手な嘘に付き合ってくれているんでしょうね。頭が上がりません。」
『私は七海さんの優しい嘘、好きですよ。』
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他愛もない話をしているうちに、アラームが鳴った。
今日も1日が始まる...。
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カズミン - ありがとうございますぅ! (6月8日 14時) (レス) @page11 id: 1a495ea85f (このIDを非表示/違反報告)
カズミン - 大好きなナナミン!!こんなの言われたらまず死ぬ (6月7日 17時) (レス) @page2 id: 1a495ea85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木綿豆腐 | 作成日時:2022年7月18日 22時