《短編集》私とナナミン。【七海建人】 (ページ11)

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愛し愛されページ11

(眠れない...)

私の隣には七海さんが眠っている。

一方、私は疲れているのに眠れない。

ふと、眠っている七海さんを眺めてみる。

綺麗な髪に、通った鼻筋。

少しはだけたTシャツから、鍛え上げられた腹筋が見える。

まるで彫刻のような七海さんに見とれていると、ふと不安が込み上げてきた。

見た目も中身も完璧な七海さんに、私なんかが釣り合うだろうか...。

スタイルも胸も普通。

考えれば考えるほど、辛くなってくる。

『ごめんなさい....。』

私は声にならない声でそう呟いた。

これ以上は辛いので、無理やりにでも寝ようと布団を被った。

すると、聞き覚えのある低い声が私の耳に入った。

七海「こんな時間にどうしました？」

『七海さん...。何でもないですよ、目が覚めて寝付けなくて。』

七海「そうは見えませんでしたが。私には話してくれますね？」

七海さんの真っ直ぐな目線に負けて、私は全てを話した。

-

七海「私は完璧ではありませんよ。ミスもありますし
、寝坊したこともあります。」

『七海さんでも、そんなことがあるんですね...。』

七海「それに、私はどんな女性よりもAさんが好きで堪りません。理由は言葉では言い尽くせません。」

真面目な顔でそう言う七海さんを見て、私は少し笑ってしまった。

『忘れませんよ、その言葉。』

七海「逆に忘れて欲しくありませんね。どんな時でも、私はAさんを愛していますよ。」

そしてまた眠りについた私たち。

私は寝てしまったであろう七海さんの隣で呟いた。

『ありがとうございます...。』

すると、七海さんの大きな身体が私を包み込んだ。

私、愛されてる。

安心感で、そのまま眠ってしまった...