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さく、さく。
枯葉を踏む音が、鼓膜に心地よく響く。
やることが無くなったわたしは森の中を探索していた。
ただなんとなく、体を動かしていた方が気が晴れるからという理由で。
白浜さんに単独行動は避けるようにと言われたので、念の為、電車が視認できる範囲内を歩いている。
ひときわ目立つ大木を至近距離でじっと観察する。
これはやはり街中で見かけるような種類の植物ではない。
細かな葉をつけた枝を凝視していると、唐突に腹の虫がぐうと鳴いた。
「.....お腹空いた。」
バッグから大豆バーを取り出す。
休憩時間がきちんと取れない時の為にいつも常備しているものだ。
これを用意してくれた自分に心から感謝の意を伝えたい。
「あ。」
大豆バーのパッケージを開封しようとしたところで、こちらへ歩いてきた萱島さんとばったり遭遇した。
彼の目が私の持つそれを見つめている。
「萱島さんも食べますか？チョコとストロベリーどっちが好きです？」
「え.....いやいいよ。」
「何かお腹に入れないと体力持ちませんよ。じゃ、わたしはストロベリーにするので、萱島さんはこっちで。」
どうぞとチョコ味の大豆バーを手渡す。
なんとも言えない表情をした萱島さんが、ふんと息を吐いた。
「なんかさぁ、よくこんな素性もわからない男に優しくできるね。もうちょっと警戒したほうがいいんじゃない？」
呆れた顔でこちらを見ながら、ちゃっかり受け取った大豆バーを食べ始める萱島さん。
うんま、と漏らした小さな声に、思わず微笑んでしまった。
「ふふ.....」
「なになに？俺変なこと言った？」
「いえ。.....萱島さん、それ、毒が入ってますよ。」
「あ？」
萱島さんが大豆バーを食べ終えたタイミングで、ちょっとした冗談を言ってみた。
明らかに嘘だとわかるそれを少し真に受けたのか、彼はぎょっとした顔で目をぱちぱちとさせている。
「ふふ、冗談ですよ冗談！萱島さんももう少し警戒した方がいいかもしれませんね？」
「.........あああ、もう.....」
わざといたずらっぽく笑ってみせる。
ため息をつきながら、髪をくしゃくしゃと掻き乱す萱島さん。
警戒、かあ。
もしかしたらこの先そういうことも必要になってくるのかもしれないなと、少しの危機感を感じながら、ストロベリー味の大豆バーを頬張った。
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おこめ(プロフ) - 彩海さん» 彩海さん、今際に引き続きありがとうございます🥹色んな作品読んでくださって本当に嬉しいです！お褒めの言葉、更新のモチベーションにさせていただきますね💐続編もどうぞよろしくお願いいたします！ (5月24日 9時) (
レス) id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
彩海(プロフ) - おこめさん！こっそり読ませてもらっていました！一話一話読み応えがあってとっても面白いです😌表現が繊細なのにすごく読みやすくて流石の文才だなあといつも感動してます！続編楽しみにしてます！頑張って下さい💘 (5月24日 8時) (レス) @page46 id: 3fb936871f (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - くまさん» くまさん、またコメントくださってとても嬉しいです☺️5話ドキドキの展開でしたね.....！！まだ落ちについて明言はできませんが、これから主人公と萱島さんの関係がどんどん深まっていきますので是非楽しみにしていて下さい！ (5月22日 10時) (レス) id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
くま - いつも素敵なお話ありがとうございます！ドラマの展開がアツすぎて！こちらのお話がどうなっていくのか楽しみです！！夢主ちゃん、萱島さんと結ばれてほしいです〜🥺 (5月21日 13時) (レス) id: 04b5add429 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - ゆんさん» ゆんさん、コメントありがとうございます！お褒めいただきとても嬉しいです☺️頑張って更新してまいりますのでこれからもよろしくお願いいたします！ (5月17日 20時) (レス) @page36 id: 9157f8724a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おこめ | 作成日時：2023年4月22日 16時
