どう彼

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サッカー部だし、体力には自信あるんだから！




グラウンドを周る度、藤ヶ谷が目に入る




……楽しそうにしやがって




藤ヶ谷ばっかズルイ




N「みつ！さっきから1人でどうしたのっ？」




急ににかが隣に来て、顔を覗き込んでくる




K「ﾊｯ…藤ヶ谷が、走れって、言うから、」




N「もーやめときなよっ。藤ヶ谷だってみつのこと見てるじゃんっ」




そう言われて藤ヶ谷の居る方を見れば、藤ヶ谷と目が合った気がした





K「…っ、知らない。もう、練習戻れ、ﾊｯ…」




N「もうっ、無理しないでよ？」




にかが走るスピードを落とし、再び1人になった




ﾊｧ…僕もにかと綱引きにすればよかった




さっさと種目決めればよかった




全部全部、藤ヶ谷が悪い





F「…おい、」




藤ヶ谷たちの前を通った時に声を掛けられたけど、顔を逸らして無視してやった







……それがいけなかった






K「ぅわっ！」




急に何かにぶつかって、思いきり転んでしまった




K「いっ……た……、」




足や腕が擦りむけて血が出てるけど、それより右足首に走る激痛に顔を歪める






F「大丈夫？マイコちゃん、」




その声に顔を上げれば、マイコちゃんが近くに倒れていた




マイコちゃんにぶつかったんだと理解する





「私は大丈夫…それより北山くん、」




K「マイコちゃんごめん…！僕が、」




F「…何してんだよ、お前」




K「っ…」




冷たく見下ろされ、身体がﾋﾞｸｯと跳ねる




F「前向いて走らねぇからこんなことになんだよ、バカじゃねぇの？」




そんな、言わなくてもいいじゃん……





悔しくて、周りからの視線も恥ずかしくて、僕は痛む足も気にせず全力でその場を走り去った

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