お隣、01日目 ページ1
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「侑君!お隣よろしくまもとけん!」
「……あ?」
「ん?」
イカれ女の隣になってしもうた。
女はギャーギャー喚くから嫌いや。
今まで何とか女の隣を避けてきたのに、よりにもよってこんな頭の悪そうな女の隣を引き当てるとは、運がない。
隣でべらべら自己紹介を始める女をガン無視して、俺はこの女の隣で1か月もやっていけるのか考える。まあ、ペア学習の時だけ頑張ればええんや。
他は無視、無視、無視……。
「って、何しとんのや自分は!!!」
「侑君の顔が見えなくなったから……」
「だからって俺の写真に向かって喋りかけんなや!!」
じゃあ何に向かって喋りかければいいの?と首をかしげる女。本気で気が狂ってるらしい。どこから出したのかも分からない写真に向かって、「ねー!」と同意を求めている。いや怖。
「なんで俺の写真持っとんねん…」
「?このクラス全員の写真持ってるよ」
「いやサラッと問題発言すな」
俺のストーカーかなんかかと思ったけど、冗談でもそれは恐ろしすぎるから考えたくない。
……それにしても、こんなイカれ女の存在によく今まで気づかずに過ごしてきたものだ。
まあ女に興味がない、というか何なら嫌いだし極力関わらないスタイルで生きてきたし気づかなくても無理はないのかもしれない。
「ところで侑君の自己紹介はしてくれないの?」
「……いややわ」
「ひどいわッッ!私のあんなことやこんなことまで知ってくるくせに自分のことは話さないなんてサイテーッ!」
「お前が勝手にベラベラ話したんやろが」
「あ、バレた?」
なんやこいつ。
急に茶番をおっぱじめたかと思ったら、今度はケロリとした顔でこちらを見る。変な女。女は嫌いやけど、こいつは女ってより宇宙人みたいやな。
もうツッコむのにも疲れた俺は、相変わらずベラベラ一人で喋る女の顔を見る。
……どっかで見覚えがある気がするけど、気のせいやろか。
「侑君聞いてなかっただろうから、もっかい自己紹介する!」
「勝手にせえ」
「じゃあ、いっきまーす!」
どっからそんな元気が湧いてくるのか。
女は片手を上げて選手宣誓のようなポーズを取った。
「稲荷崎高校2年2組水野A!好きな食べ物は鶏肉で、好きな映画はダイ〇ード2!好きなタイプはよく食べる人で、座右の銘は『赤点は3つまで』です!」
よろしく!と最後に満面の笑みで言い放った女を、やっぱり俺は、どこかで見たことがあるような気がした。
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冬田(プロフ) - 結衣さん» こちらこそ温かいコメントありがとうございます(^-^)本当に嬉しい限りです!そちらの曲も聞いてみたいと思います! (2020年5月27日 13時) (レス) id: 4ea05f3e1b (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - 本当に素敵なお話しをありがとうございます!!OneRepublicのCounting Starsという曲のようで感動しました!聞いてみてほしいです! (2020年5月26日 12時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬田 | 作成日時:2020年5月15日 20時