僕の彼はヤンキーくん

16 (Ki side) ページ16

藤ヶ谷を助けたくて




K「っ…ねぇやめてっ、もっ、やめてっ…」





必死で関口に訴えかけた




『じゃあもう藤ヶ谷のことは忘れろ』




K「っ…」




そんなの、無理だ





でも、それで藤ヶ谷が助かるのなら…





『藤ヶ谷は遊びだったんだよ』




堪えていた涙が溢れ出した





『俺が慰めてやるよ』




顔が近づいていて





嫌だっ…



突き飛ばそうとした







『藤ヶ谷、もっと痛めつけてもいいんだよ？』





そう囁かれれば、逃げることなんて出来なくて





藤ヶ谷に、キスされるところ見られたくなかったな…






あと少しで唇が触れるというところで目を閉じた









K「ん………んﾞっ！？」





苦しい…？





F『…お前にだけはぜってぇ譲らねぇ』





耳元で藤ヶ谷の声がして、目を開く




藤ヶ谷の手によって口を覆われていて




関口とのキスは免れた





F『俺はコイツのこと大事にしてたんだ。好きじゃなかった訳じゃねぇ』





K「藤ヶ谷…」




F『…ねぇ北山。俺、お前のこと諦めらんねぇよ』





そうやって困ったように笑うから





涙止まんないじゃん…





K「ｳｩふじっ、藤ヶ谷ぁﾋｸｯ」




F『ﾌｯ何言ってるか分かんねぇよ』





藤ヶ谷に腕を引かれて、気付けば腕の中





F『関口…喧嘩ならいつでもしてやるよ。ただ北山にはもう二度と近づくな』





行こう、って言われて





藤ヶ谷に腕を引かれて早足にその場を去った

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