僕の彼はヤンキーくん

13 (F side) ページ13

『先輩！おはようございます！』






バイクから降りてすぐ後輩に声を掛けられた





F「はよ。朝から元気だな」





『昨日も喧嘩して、ストレス発散してきました！』





F「…またか？」





『はい！先輩も来ればよかったのにー』





F「…俺はもう喧嘩はしねぇよ」





『えっ、何言ってんすか？先輩…』





F「喧嘩したきゃ勝手にやれ」





『もー。先輩最近付き合い悪いっすよー』





F「わりぃな」





俺が喧嘩をやったことで傷ついた北山がいるから




もう傷つけたくねぇんだ






F「……あ」





下駄箱まで行けば、ちょうど北山が居て目が合った





あれ、なんか…





痩せた？






なんて思いながら北山の後ろを通り過ぎた








瞬間






K『っｺﾞﾎｺﾞﾎ』




北山の咳にはもう敏感になってしまっている俺は思わず振り返った






F「北山…？」





しゃがみこんで息を整えている北山に近寄る






K『ｹﾞﾎｯ…ﾋｯｳｯ』




F「おい、しっかりしろっ」




明らかにおかしい咳が聞こえた





K『っふじ、ｺﾞﾎｯ』





F「保健室行こう」






苦しそうな北山を抱き上げて保健室へ急いだ









『疲れが出ちゃったかなー』






先生は軽い口調でそう言い放った





北山はダルそうにベッドに横になっている






大分、薬で少し落ち着いてきたようだ






『睡眠不足と、ご飯もあまり採れてないようね』






F「…体調管理くらいしっかりしろよ」






K『ごめ……ｹﾎｯ』






『担任の先生には伝えておくから、ゆっくりしておいてね』





K『はい…』






先生がいなくなり、沈黙が続いた






K『ｹﾞﾎｯ……ふぅ』






F「…まだ辛い？」





K『大丈夫…』





F「寝れてねぇの？」







K『…ううん』





F「嘘つくな。顔見てみろ」




目の下のクマをそっとなぞった






K『っごめん…』




F「…もう寝とけ」





K『うん……』









暫くすれば北山の寝息が聞こえ始めた





F「相変わらず寝つき早いな」





ふわふわ、と頭を撫でる






K『ん………じがゃ…』




F「ん？」





K『……ふじが……』





F「ﾌｯ何？」




何言ってるか分からないけど、可愛い






prrr……





ベッドサイドに置いてある北山のケータイが鳴った






着信：関口





と表示されていた





F「関口………まさか、な…」

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