僕の彼はヤンキーくん

02 (Ki side) ページ2

授業の終わりを告げるチャイムが鳴れば、次々と教室から人が減っていく




僕も帰る支度をしていれば、いきなり机をﾊﾞﾝｯと叩かれて顔を上げた





F『…メール返せよ』




不機嫌丸出しの顔で僕の前に立っている藤ヶ谷





K「携帯の電源は消してありますから」





F『ならさっさと手紙拾え』




K「拾うのが早かれ遅かれ、文面は変わりませんよね？」




F『いつも言ってっけど、その態度まじムカつく』




K「なら付き纏わないでください」





F『ﾁｯ、まじぶん殴るよ？』





ジッと藤ヶ谷に冷たい視線を向ける





F『…もういい、行くぞ』





乱暴に腕を掴まれて、無言で体育館へと向かう









『先輩こんにちは！』




F『うっす』




すれ違う部員に挨拶をしながら体育館に到着





F『上で見てて』




それだけ言うと、藤ヶ谷は部室へ入っていってしまった






ゆっくり階段を上がって、コートが見やすい位置にあるベンチへ座る





もうウォーミングアップが始まっていた





…いいな





僕は喘息持ちだからスポーツが出来ない





だから、羨ましい






ボーッと見下ろしていれば、ユニフォーム姿になった藤ヶ谷が視界に入ってきた





ボールを受け取ると見事にシュートした





凄いな、藤ヶ谷は





『あ、藤ヶ谷の恋人さんじゃん』





振り返れば、見知らぬユニフォーム姿の男が立っていた




『毎日見に来てるよね』




K「…別に」




『見るの楽しい？』




ほんの少し、首を縦に振った





実際、見るの嫌いじゃないし





『そう』






K「…何」





『そんな警戒しないでよ』




苦笑いしながら彼は戻っていった





再びコートを見下ろせば、藤ヶ谷は部員と笑い合っていた





…僕の前じゃ眉間にシワ寄せてんのに




毎日毎日、『お前の態度気に入らない』って言われて




僕に笑ったことなんてない





なのに、どうして付き纏うの？




壁に背を付けてしゃがみこんだ





K「っ、疲れた」





今日が金曜日という事もあってか、疲労が襲いかかる




K「ｹﾎｹﾎｯ…」




少し、寝よう…




瞼をゆっくりと閉じた

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