第六話 ページ8
そんな願いが叶うはずもなく今日を迎える。
『いってきます』
「気をつけてね、今日は雨だから」
『うん、母さんも気をつけてね今日電車遅れてるらしいし。』
いくつかの花が描かれたシンプルな傘を持って家を出た。
雨はまだ降り始めといったところか、まだ小雨だった。小雨の内に行ってしまおうと小走りで学校に向かう。
私の家から学校まではそこまで距離はなくて、歩いて30分ぐらいの所にある。通うのに苦労しない場所が良かったから偏差値の高い此処を受験した。
学校に着くのは早い方、予鈴がなる40分前ぐらいには着いてしまう。いつも教室にいるのは2、3人でなんなら私が一番乗りの時もあるぐらい。
なんてどうでも良いことを考えてると教室に着く。
ドアを開けるとまだ誰もいないようでがらんとしていた。
『(雨だし皆遅いか)』
教室にかけてある時計に目をやる。
今日早めに出たせいか、いつもより早く着いてしまったのに今更気づいた。
いつもなら図書室に行ったり、教室でスマホを弄ったりして暇を潰すけど雨のせいか、それとも昨日あったことのせいかそんな気にもならず、校内を散策することにした。
『こうやって見ると、意外と綺麗だよな。うちの学校、お金かけてる』
五階、四階、三階と順番に降りていく。
私たち一年の教室は五階にあるのでまた上らなくてはいけないのが面倒だけど、暇を潰すにはちょうど良いだろう。
三階の廊下に足を踏み入れた時ぐいっ、と腕を引っ張られた。
『っへ…？』
唐突な出来事に頭がついていかず身体がかたむく。
転ける、と思ったら背中に何かがぶつかった。恐らく私の腕を引っ張った人だろうと恐る恐る後ろを向く。
「お前、昨日のやつやろ」
どんよりした空を背景に明るく映る金髪。青より薄い、水色の眼。水色という狭い色名に括るには惜しいくらいの綺麗な色。
私には見覚えがあったし、私にそう声をかけるということは十中八九生徒会だ。
さっきまでの悠々とした気分は消え去り、背中には嫌な汗が伝う。
『ｯあ、』
「ちょっと来い、話がある。」
声を出す間もなく腕を引っ張られる。何処に行くのか見当もつかないまま私はきらきら光る金色の髪を眺めていた。
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もも - 面白い！！ (4月27日 12時) (
レス) id: 090ee67cb9 (このIDを非表示/違反報告)
アホです - 面白いです! (4月27日 12時) (レス) @page36 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - しずさん» コメントありがとうございます、励みになります。ゆっくりにはなりますが更新していきますので次回のお話も楽しんでいただけると嬉しいです！ (9月3日 17時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
しず - 初コメ失礼いたします！。最新のお話読まさせていただきました！。はらはらしながら読まさせていただきました！最近は何回もお話を読み返させていただいてます！お忙しい中大変だと思うのですが、更新頑張ってください！。いつでもどこでも待ち構えさせていただきます！ (8月20日 5時) (レス) id: 36de129ac6 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！ゆっくりの更新にはなりますが次回のお話も楽しんでいただけると嬉しいです。 (8月5日 23時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霙 | 作成日時：2023年1月7日 0時
