第二十話 ページ22
『ずっと、ずっとずっと…!!!!知らないしやってないってッッ言ってるのに!!』
止まらない心臓の音を誤魔化したくて服を強く握り締める。
『なんっっにも聞いてくれない!!美月が美月がって、その人が言っただけでしょッ!?? 貴方たちの中に深い信頼とかがあるのかもしれない!!だからって証拠もなしに疑わないで!!!気持ちを考えたことがないのかって、だったら私の気持ちも考えてよ!私だってわけわかんない!!!知らない人に囲まれて、知らない罪で責められて!!なんで!!!ッなんで、………なんで、私なの』
不思議と涙は溢れなかった。乱れた息はまだ整わなくて、静かになった教室に私の呼吸音だけが響く。
10何人も居るはずなのに誰も口を開かない。まるで時間が止まったみたいに誰も、何も、しない。
数十秒か数分か、経った頃に
教室の外からドタバタと足音が聞こえた。
その足音は生徒会室の前で止まり、ドアを思い切り開かれた。
その音は思いの外大きく、その場にいる人の意識を戻すには十分だったと思う。びくりと肩を揺らしドアの方を見る。
「はーッまに、あった…?」
ふわふわの髪の毛が所々はね、焦ってきたせいか眼鏡は少しズレていた。身長は桃瀬先輩と同じぐらい高くて威圧感がなくはない。
突然現れたその姿に私はひどく安心させられた。
『っちーの』
「A!え、これ間に合った?空気的に間に合ってなさそうやんな???」
そんな言葉を無視してチーノに抱き付く。
「ぅえ!!?え、どしたん?」
羞恥心も何もなくてただ縋るものが欲しかった。
うーんと唸りながらも私の背中を撫でるチーノは思い出したみたいに大きな声を出した。
「っあ!!!そうや、」
私を優しく離して生徒会室の外へ向かう。入ってええですよ、と一言言ってるみたいだった。
廊下からひょっこりと見えた顔は2人、生徒会室に入ってきた内の1人に私は見覚えがあった。
『お姉、ちゃん…?』
1081人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もも - 面白い!! (4月27日 12時) (レス) id: 090ee67cb9 (このIDを非表示/違反報告)
アホです - 面白いです! (4月27日 12時) (レス) @page36 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - しずさん» コメントありがとうございます、励みになります。ゆっくりにはなりますが更新していきますので次回のお話も楽しんでいただけると嬉しいです! (9月3日 17時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
しず - 初コメ失礼いたします!。最新のお話読まさせていただきました!。はらはらしながら読まさせていただきました!最近は何回もお話を読み返させていただいてます!お忙しい中大変だと思うのですが、更新頑張ってください!。いつでもどこでも待ち構えさせていただきます! (8月20日 5時) (レス) id: 36de129ac6 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!ゆっくりの更新にはなりますが次回のお話も楽しんでいただけると嬉しいです。 (8月5日 23時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:霙 | 作成日時:2023年1月7日 0時