第十五話 ページ17
「あん時ゆりちゃんがな〜」
「3日後別れるに500円」
「俺明日に1000円」
結局3人と話すことなくオムライスを食べ終えた私はじゃあ失礼しますね、と言って席を立つ、
と黄瀬先輩が此方に目を向ける。
「えー、もう行くん？俺Aちゃんとも話したいな」
肘をつきながらにこ、と笑う先輩に背筋が凍った。さっきまでの敵意の目はどこいった。
『いやでも、食べ終わりましたし』
「僕も聞きたいことあるしもうちょっとだけ、お願いできひん？」
終いには鬱島先輩に手を掴まれてしまったので渋々席に座り直した。捏島先輩は変わらず鮭定食をむしゃむしゃ食べている。
『なんですか聞きたいことって』
「ん〜？昨日も話したけどAちゃん、本当に美月ちゃんのこと知らんの？ほんまにやってない？正直に教えてや、グルッペンには言わんし」
「だって君しかおらんもん、西条って子」
『っ知らないです、本当に』
「シッマはどう思う？」
鮭定食を食べる手を止め、水色の目がじっと見つめる。
「西条が此奴しか居らん以上白も黒も分かりきったようなもんやろ、言い訳もそろそろ辞めた方が身のためやで」
今朝よりも明らかに底冷えするような声に身を固める。この人こんなに怖かったっけ。
「よな〜？俺もそう思うねん！」
元気いっぱいに声を上げる黄瀬先輩も笑みを浮かべたまま何も言わない鬱島先輩もみんなみんな怖い、生徒会なんて関わりたくない。
やっとの思いで声を絞り出す。
『ｯその！！私から見たら美月、先輩…て人が嘘ついてるようにしか…』
ﾊﾟﾝｯ
乾いた音が食堂に響く。幸い食堂は騒がしく大半の人には気づかれていない。近くに居た人はなんだなんだと此方を見る。
頬がじんじんする。叩かれた、と認識するには少し時間がかかった。
ゆっくり、ゆっくりと叩いたであろう人を見る。
「ええ加減にせぇよ、お前。」
茶色の髪が目の前で揺れる。
「西条はお前しかおらん、でもやってない知らないの一点張り。美月の気持ち考えたことないんか！！？」
昨日やられたみたいに胸ぐらを掴まれる。なんでだろ、なんでこうなるんだろうな。恐怖さえ通り越して今は無だ。どうでもいい、知らない聞こえない。
めんどくさいなぁ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もも - 面白い！！ (4月27日 12時) (
レス) id: 090ee67cb9 (このIDを非表示/違反報告)
アホです - 面白いです! (4月27日 12時) (レス) @page36 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - しずさん» コメントありがとうございます、励みになります。ゆっくりにはなりますが更新していきますので次回のお話も楽しんでいただけると嬉しいです！ (9月3日 17時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
しず - 初コメ失礼いたします！。最新のお話読まさせていただきました！。はらはらしながら読まさせていただきました！最近は何回もお話を読み返させていただいてます！お忙しい中大変だと思うのですが、更新頑張ってください！。いつでもどこでも待ち構えさせていただきます！ (8月20日 5時) (レス) id: 36de129ac6 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！ゆっくりの更新にはなりますが次回のお話も楽しんでいただけると嬉しいです。 (8月5日 23時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霙 | 作成日時：2023年1月7日 0時
