完 結 編。

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吼えた。
上弦の壱が吼えた。

それと同時に、月が。

「A！！！」

無一郎が叫んでる。
駄目だ、やっぱり駄目だ、死ねない。
あ、片足。片足くらいなら。死なない。多分、きっと。
跳ぼうとした瞬間に。

「きゃぁっ！？」

無一郎に抱えられて、上弦の壱から離れた。刀も持って。
突然のことに足がふらつく。

何を、何をしたの？
コレじゃあ、殺せない！！
役に、立てない＿＿。

うわあ、うわあ！！玄弥くんはギリギリ避けた！手首、飛んでる。待って！！
何とか、なんとかしないと！！

「無一郎！！」
「ごめん、ごめんね、っ」

焦った声。
恐怖に震えた声。
ふ、と、冷静になれた気がした。

約束したんだったな、無一郎を、お互いを守るって。
不意にがちゃりと刀が当たって、ずず、と、刀が。

「赤く…、」
「え、」

赫刀！！意味がわからないけど、多分、きっと、これで攻撃がすれば！！
考えてる、というか、頭のなかにごちゃごちゃと情報しか入ってこなくて。あとは、直感。

そうだ、前に作った技！！上弦の壱に刀を突きつけろ
！！

誰も、死なせない。

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