e p i l o g u e . ページ19
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桜の咲く季節。
窓を開ければ、桜の花びらが一片、ひらひらと迷いこんできた。
それをつまみ上げる。右目のないのは最初は不便だったが、もうだいぶ慣れてきた。
ぽかぽかした心地良い温度に、思わずあくびが出る。
「ん、ん…」
「おわっ……」
後ろから、ぎゅむ、と重みがのしかかる。
「A…」
「おはよ、無一郎」
んー、と気の抜けた返事が返ってくる。それに少しだけ笑い、正面に向き直ってはまた抱きしめられた。
「無一郎、おもい」
「……あったかい…」
すり、と子供のように頬をすりよせられた。
「無一郎、今日お花見に行こうか?」
「…いいね、行こう」
「誰か誘う?」
「嫌だ」
「ふふ…知ってたよ」
そのまま無一郎は流れるように私に口付けて、笑う。
「…なんだか、幸せだね」
「うん、」
平凡な毎日は一番素晴らしくて、幸せだ。
もう一度口付けられた視界の隅で、お揃いの組み紐が緩く揺れていた。
か す み ば し ら。終
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結衣(プロフ) - 完結おめでとうございます!本当にハッピーエンドですね笑笑 本誌だともう出てくるたびに泣いてたので、、本当にお疲れ様でした。むいくんの誕生日楽しみにしてます! (2020年5月20日 18時) (レス) id: 3b6ed38452 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - むいくんの誕生日、楽しみにしています!最後まで、本当に本当に最高でした!お疲れ様でした! (2020年5月17日 20時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴歌-Rikkai- | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/suzuka-Rikkai-/
作成日時:2020年5月17日 8時