16 ページ17
「……」
「A…?」
翡翠と白。翡翠と白の糸。
頭の中で何かが掘り起こされるのを感じた。
翡翠と白。時透無一郎と私。
霞と雪?
顔を上げる。広い庭が目に入った。ああ、なんだ、なんだか。
とんでもなく、懐かしくて、暖かい。
「…………」
ここで。
時透くんと?
………そうだ。
雪合戦、したり。稽古してもらったり、
紙飛行機を飛ばした。
「A、大丈夫…?」
背中をさすられる。
「……あ」
一粒、涙が零れる。
同時に、頭の中に、記憶の欠片が。
それは、他の記憶も引き寄せるように、繋がって、形を整えていって。
あの日は、ボロボロになって帰ってきて、怒られた。
あの日は、一緒に、ふろふき大根を作ってた。
あの日は、あの日は__
そうだ、毎日毎日、楽しくて仕方がなかった。
紙飛行機を何個も何個も作って、飛ばした。
たくさん、笑いあった。泣きあった。心配しあった。
__「無一郎」と。
「……むいちろう」
その名前は、私の記憶の最後の穴を、ぴったりと埋めた。
396人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結衣(プロフ) - 完結おめでとうございます!本当にハッピーエンドですね笑笑 本誌だともう出てくるたびに泣いてたので、、本当にお疲れ様でした。むいくんの誕生日楽しみにしてます! (2020年5月20日 18時) (レス) id: 3b6ed38452 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - むいくんの誕生日、楽しみにしています!最後まで、本当に本当に最高でした!お疲れ様でした! (2020年5月17日 20時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴歌-Rikkai- | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/suzuka-Rikkai-/
作成日時:2020年5月17日 8時