初めまして時透君 ページ2
「は……お隣さんに挨拶ね、はいはい了解」
お母さんに制服に着替えろ、と指示されたのに、やっと合点がいく。
キメツ町に引っ越してきた。
お父さんの転勤だかなんだか、色々な事情が集まり、前の学校で涙のお別れ会をしたばかりである。
それで、引っ越した者の(多分)恒例行事……それが「お隣さんにご挨拶」だ。
これからの近所付き合いのためだったり、礼儀だったり。
で、今。お母さんと共にお隣の家の前。
「いい、A。礼儀正しく接するのよ」
「わかってますよー」
新しい制服、キメツ学園の制服！！シャツなんてぱりっとしててカッコいい！……とか言ってる時間も無く、お母さんはチャイムを鳴らした。
きんこーん、と軽い音が鳴る。
ぱたぱたと足音がした。
「はーい」
奥さんらしき人が出てきた。……えらく美人な人だな、オイ。女の子だけど恋に落ちそう。
「どうも、初めまして。隣に引っ越してきました倉持(くらもち)と申します」
お母さんがしっかり話し出す。……うぅ、大笑いしたい！いつもずぼらなお母さんが！！
お隣の奥さんは、まぁ、と声をあげ、にこにこと笑う。
「こんにちは〜、初めまして！ご丁寧にありがとうございます」
「此方は娘のAです」
急に紹介された！！慌てて会釈すると、よろしくね、と優しく声をかけてくれた……あれ、天使？
「えぇ、と。時透です。宜しくお願いしますね……あ、息子達、呼びますね」
心の中が忙しい中、ときとうさんがにこにこと自己紹介する。
ときとう？そーか、あれってときとうって読むのか……表札見ただけじゃわからなかったわ、うん。お洒落だ。
時透さんは、(当然ながら)聞きなれない名前を呼ぶ。二人分。兄弟かな？
少しの間があいて、出てきた……あ？
「双子なんです。こっちが無一郎で、こっちが有一郎」
そっくりの男の子二人。
何故だか、目があった瞬間、無一郎……？から、目が離せなくなった。それはあちらも同じらしく、きょとんとした目で私を見つめている。
腰までの髪。先の方が綺麗な青緑……だろうか。それと同じような目、すごく整ってる……顔やらなにやら、色々。
見ているだけで胸がドキドキする。頬がじわじわ熱くなっていく。
……あれ？これ、私、恋……してないか？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴歌-Rikkai-(プロフ) - 結衣さん» むいくんと登下校したい……ｼﾀｲ…((いつも具体的な感想ありがとうございます…！とても励みになっています！！ (2019年12月14日 23時) (
レス) id: 8ba55bc0a6 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - いやぁ〜私も『一緒に学校行かない？』って言われてみたいです！！これからも更新頑張ってください！！ (2019年12月14日 23時) (レス) id: 3b6ed38452 (このIDを非表示/違反報告)
鈴歌-Rikkai-(プロフ) - かまぼこさん» いえいえ、見てくれただけで嬉しいです〜！あおはるしたいですね……((頑張ります！！ (2019年12月14日 8時) (レス) id: 8ba55bc0a6 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ(プロフ) - 見るの遅れちゃってごめんなさい…！新作おめでとうございます！無一郎とあおはるしてぇ…((更新頑張って下さい〜！ (2019年12月13日 23時) (レス) id: 4716ad5a07 (このIDを非表示/違反報告)
鈴歌-Rikkai-(プロフ) - もちさん» 優しい言葉ありがとうございますー！！頑張ります！ (2019年12月12日 18時) (レス) id: 8ba55bc0a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴歌-Rikkai- | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/suzuka-Rikkai-/
作成日時：2019年12月11日 18時
