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霞とバレンタイン ページ36

「ふう、」

無一郎は相変わらず両手にチョコのいっぱい入った紙袋を持っていた。
時透家に来て、どすんとそれを下ろす。

「大変だね、毎年毎年」
「も、拗ねないでよ。ちゃんと断ったから、ね」

ね。こてんと首を傾げて言われては、頷くしかない。
それでも少しはむっとしつつ、カバンの中のチョコを撫でた。
……なんだか、私のチョコがかすんじゃいそう。今年、ちょっとだけ頑張ってみたんだけど。

「…Aからは無いの?」
「んー…」

今度は無一郎がむっとした。

「嫉妬してますよ」
「知ってる」
「……今年頑張ってみたから、あの…どの女の子よりも、喜んでほしくて」

はい、と胸に押し付ければ、途端ににぱーと笑顔になる。無一郎は受け取ってくれた。ほっ。

「ありがとう」
「ね、今開けて?どのチョコよりも先に喜んで欲しいの」

無一郎は「はいはい、」とくすくす笑いながら、丁寧に開けていった。

「…わ、可愛い」
「でしょ!!今年いっぱい頑張ったもん!」

わはは、やっぱ嬉しいぞお。露骨に声が明るくなったからか、心底可笑しそうに笑って。
今年は、チョコで花弁を作って大きな花にしてみた。お洒落にしてみた。してみた!!

「食べるの、もったいない」
「んじゃ、ゆーっくり食べて」
「了解」

あ、にこにこ。本当に嬉しそうな顔。
不意に、私に一つ、口付けた。

「お返し、」
「……ばーか」


Happy happy Valentine!2020

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ももんが(プロフ) - 了解致しました〜! (2020年4月28日 20時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
鈴歌-Rikkai-(プロフ) - ももんがさん» ありがとうございます。楽しみにしてくれてほんとにありがとうございました。少しでも貴方の力になれたのならとても嬉しいです。完結編もちまちま書いているのでどうか気長にお待ち下さい。 (2020年4月28日 19時) (レス) id: 8a5fb2d45a (このIDを非表示/違反報告)
鈴歌-Rikkai-(プロフ) - 儺鵺さん» ありがとうございます。完結編は必ず書き上げますので気長に待って頂けると幸いです。申し訳ありませんがリクはもう受け付けません。せっかく下さったのに申し訳ありません… (2020年4月28日 19時) (レス) id: 8a5fb2d45a (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 過激なファンの行動が目に付いてしまうのは私も同じです。鈴歌さんとまた出会える事を楽しみにしています。更新、最後まで頑張ってください!長々とすみません! (2020年4月24日 19時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 鈴歌さんが辞めると決めた事なら、反対する権利なんて、私にはありませんから...。この作品が生き甲斐でした!本当に素晴らしい作品をありがとうございました!完結させてしまうのは寂しいですが、とても面白かったです! (2020年4月24日 19時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴歌-Rikkai- | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/suzuka-Rikkai-/  
作成日時:2019年11月29日 18時

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