願い事 3［学園アリス］ (ページ46)

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36話ページ46

翼の悪い笑みを見ながら、蜜柑に助け舟を出せず困っていたけど
多少うざいだけでそこまで害はなさそうだから放っておく事にした。

蜜柑、翼の言葉にしょんぼりしながらも
普通に果物食べてるから、、

流｢棗、ペンギーがこれ見つけてきてくれたよ。｣

ふと流架の声が聞こえた方を向くと、流架の足に何かを手に持ったペンギーがのっかっている。

あれ、ブドウ、、？

流架が棗に、｢水分の代わりにもなるかも｣と言っている後ろで
蜜柑が物欲しそうな顔でブドウを見つめているのが目に入って
思わず笑ってしまった。

棗｢、、、｣

棗は怪訝そうな顔で私を見た後、そのままペンギーの方を向く。

笑った事は絶対バレてるけど、、、
弁明する時間は与えて貰えませんでした。

棗の眉間には皺が寄っていて、
相変わらず嫌そうな目を隠そうともしない。

そんな棗を視界にも入れていないだろう翼が、
｢ルカぴょんペンギー語分かるようになったか～｣
なんて楽しそうに呟いてるからﾊﾞｼｯと背中を叩いておいた。

｢ペ～、、、｣

棗の視線の先のペンギーは、その目力にやられて
ブドウを手に持ったまま少しずつ後ずさりしていく。

貴『棗、、』

ペンギーがちょっと可哀想になって声をかければ、流架の膝の上から背中へと移動していくペンギーを見ながら棗が口を開いた。

棗｢おい、こいつまだ連れてく気か。｣

相変わらずその鋭い視線に、
ペンギーは完全に流架の後ろで怯えている。

蜜｢またそーゆーことゆうー｣

棗に言い返す蜜柑と、なおも睨み続ける棗との間で
流架がペンギーを背中に庇いながら困った顔をしているのを、
私は隣の翼と苦笑いしながら見つめていた。

.

.

.

貴『蜜柑とペンギー、遅いなぁ～。
大丈夫かな、、ｯ、、

、、ｹﾎｯ、』

肩身が狭そうに水汲みに行ってしまった蜜柑とペンギーを待ちながら声を出せば、
焚き火の煙でやられたのか喉が酷く乾燥していた。

抑えて小さく咳をすれば、
棗も流架も翼も、ﾊﾞｯと揃って私の方を向く。

、、、しまった、ここ3人もしかして過保護組か。

翼｢A、大丈夫か？水飲みてぇよな、、。
流石にもうちょいで戻ってくんだろーけど、、｣

湖がある方向をﾁﾗﾁﾗ見ながら翼が心配そうに顔を覗き込んでくるから
大丈夫だと言いたいけど今声を出したら咳き込んでしまいそうで、大人しくしておく。

棗｢ﾁｯ、、｣

湖の方を向いて舌打ちした棗の隣で、
流架が急に立ち上がった。