願い事 3［学園アリス］ (ページ33)

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23話ページ33

どのくらいの時間だっただろう。

大木に寄りかかり、
眠る4人の姿をボーッと眺めていた。

｢ゔっ、、｣という声と共に、蜜柑、翼、、
流架と棗も2人に起こされているのを見つめる。

蜜｢ここ、どこなん、、？｣

翼｢穴を通る際の衝撃で気失ってたのか、俺ら、、
もう昼、、。

それにしても、何だこの荒れ具合、、雰囲気やばくねーかこの山。｣

暫くボーッとしていた棗が、翼の言葉に周りを見回してから、何かを探している。

どしたのかな、、と思うけど、
声を出す気力もなくてそのまま見つめていれば
ﾊﾞｯ!とこちらを向いた棗が私を見つけるなり走り寄って来た。

棗｢っA、、！｣

ｷﾞｭｯと抱き締められ、
棗の温もりに冷えていた体がﾄﾞｸﾝｯと動き出すのを感じる。

翼｢A、もしかして、、これ、、｣

察してしまったのか、真っ青な顔をしてこっちを見る翼に、棗に抱き締められながらﾌﾙﾌﾙと首を横に振った。

言わないで欲しい。

私の意図が伝わったのか、翼はｸﾞｯと顔をしかめると

翼｢日陰行くぞ。｣

と言って棗に抱き締められたままの私を横から持ち上げ、そのまま3人をつれて木々が荒れていない場所まで歩く。

木陰でおろされ、倒れそうになる背中をすぐに棗が支えてくれる。

蜜｢A、、体調悪いん？顔色が、、｣

何も答えられない私の肩を棗は一瞬ｷﾞｭｯと強く握り、
動物達から話を聞いている流架の方を向いた。

棗｢ルカ、何か分かったか。｣

流｢ううん、、。
ここら辺山ばかりで民家らしきものはほとんどないみたい。｣

流架の言葉に、翼は｢最悪だよ、、｣と呟く。

翼｢多分ここら一帯Z関係の私有山か何かだろうな。
ここに逃げ込んだって事は奴らのアジトがあるって事なんだろうけど、、。

どっちにしろ俺達の猶予は明日の夜まで。
さっきまで寝こけてたロスはかなりいてーし、
正直Aを巻き込んでここまで無理させちまってるのはやべーな。

今はとにかく情報集めて、奴らの足跡を追うしかねえ。

その為にまず、｣

翼が真剣な顔で話している最中、

ぐうぅぅ～と大きな音が響き渡り皆一旦停止する。

翼｢はいはい分かりました。まずは腹ごしらえね。
何か探すか。｣

｢あれ？今変な動物の鳴き声した？｣と恥ずかしそうに周りを指さす蜜柑に、｢佐倉、気にしてないから、、お腹の音くらい。｣と声をかける流架。

両手で私の頬を挟み強制的に目を合わせた棗に、
｢座ってろよ。｣と強く言われてしまう。