願い事 1 [学園アリス] (ページ10)

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8話ページ10

A組の扉を開けると、
好奇と恐怖の目を向けられる日向棗と乃木流架が目に入る。

この雰囲気からすると、すでに日向棗が危力系で幹部生であるのはクラス中にバレてるんだろうな～
なんて上の空で考えていると、
私が教室に来たことに気付いたクラスメイトの声であっという間にうるさくなった。

｢｢｢｢Aちゃん！！！！｣｣｣｣

久しぶり～なんて適当に皆に返しながら、
抱きついてこようとする正田スミレをｽﾙｯと避ける。

私の行動にさほど驚く様子もなく、心読みが話しかけにきた。

心｢Aちゃん久しぶりだね～。

相変わらず心の中読めないな～。

転入生、Aちゃんと同じスペシャルみたいだけど、
もう知り合いなの？｣

心読みの言葉に、ﾁﾗﾘと日向棗の方を見ると、
彼もこちらを見ていたようで視線がぶつかった。

まあ教室に行く時点でこうなることは予想してたし、ちゃんと挨拶する為に2人の前に移動する。

貴『初めまして。

日向棗君と乃木流架君だよね？
私はAAって言います。8歳だよ。

学園は休みがちだけど、
日向棗君と同じスペシャルだからきっとこれから会う機会は増えると思うし、よろしくね。』

当たり障りなく挨拶をすれば、
名前を知られていた事が不思議だったのか、
少し首を傾げながら小さな声で返してくれる。

流｢乃木流架です、、よろしく。｣

一方乃木流架の隣に座っている日向棗は、
さっきからじっと私の事を見ているだけで微動だにしない。

え～怖、、せめて何か言ってくれ。

そんな私の願いが通じたのか、
日向棗はずっと閉じていた口を開いた。

棗｢お前、もしかして、、｣

｢｢｢｢？？｣｣｣｣

その先を言わない日向棗に、
私を含めA組のクラスメイト達は不思議に思う。

と、後ろの方からスミレがニコニコしながらこちらに向かってきた。

ス｢棗君！流架君！

Aちゃんは入学してきた僅か4歳の時から階級はスペシャルで、
その珍しくコントロールが難しいとされるアリスの制御も完璧！

先生達にも一目置かれるまさに天才美少女なのよ！！｣

スミレの堂々とした私の恥ずかしい紹介に、
今すぐここから去りたい気持ちになる。

私、転入生に何晒されてるんだろう？
こゆとこあるよね、私のクラスメイト。

貴『ま、冗談はさておき。

私は学園生活もそれなりに長いからさ、
何かわからないことがあったら、気軽に聞いてね。』

相変わらず面倒見いいね、
なんて心読みに呟かれたのは無視をした。