愛しい君へ (ページ20)

今日:4 hit、昨日:20 hit、合計:17,757 hit

17 ページ20

屋上に上がる階段を上りながら、黒崎さんは言った。

「私、桜庭さんと話してみたかったんだ。」

どこか、見覚えのある笑顔で。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「風強いね。今日。」

「..、話って、なに?」

「..、桜庭さんさぁ、」

彼女はさっきまでの笑顔を消した。

「健くんの元カノなんでしょ?」

元カノ。

「そうだよ?」

「へぇ。対して可愛くもないのに、健くんと付き合えたんだ。」

何、コイツ。←

「でも知ってるよね?私と健くんの関係。」

「..知ってるよ。」

「私たちね、高校卒業したら結婚するの。」

「え?」

「だから、桜庭さんにお願いがあるんだけど..」

「高校卒業するまで、健くんに一切関わらないでね?」

は..?

“ 高校卒業するまで ” って、まだ私たち1年生だよ?

あと2年半くらい、健と話しちゃいけないの?

「黒崎さん。」

「何?」

「貴方と健の邪魔はしないから安心して。でも邪魔はしないけど、私は健と話したりするよ?」

「だって、元カノだもん。」

「元カノだから?今付き合ってるのは私。元カノなんだから黙って言うこと聞きなさいよっ!!!」

「私は、元カノでしかないんだよ?でも黒崎さんは今、健の彼女でしょ?それとも何?愛されてないから不安なの?ただの元カノと健が話すこともだめって言わなきゃいけないくらい、不安なの?」

馬鹿みたい。

「結婚なんか、勝手にすれば?私には関係ない。」

そう言って、私はその場を去った。

ねぇ、健.?

健は今、誰を想ってるの??