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あなたと理由 ページ46

「うむ!満足だ!」


そう声が聞こえたのは私が何かに目覚めてしまいそうな時だった。

危なかった。

腕が性感帯になってしまうのは流石に危ない。
しかし、彼のせいでヘロヘロになってしまった。


「ありがとう!」


そういうと私の手に手を絡め、手の甲にちゅっとまた口付けをする。

その姿はまるで西洋の本に出て来る王子宛らだった。


『なんで、』

「む?」

『なんで、こんなこと私にするの?』


ずっと疑問に思っていたことがぽろりと口から出た。
ぽかんとした顔でこちらを見ている。

聞かれるとは思っていなかったのか。

しかし、いつもの笑顔に戻る。



「なんでこんなことすると思う!」



そう、逆に質問されたのだ。
こっちが聞いているのに、

むすっと明らかに顔に出すとくすくすっと笑われる。


『い、嫌がらせ』

「違うな!」

『そういう趣味!』

「誰にでもこんなことをしている訳ではない!」

『変態、』

「む、心外だな!」


ぐぬぬと考える。
ははは!と笑うあなたは楽しそうだ。


「お手上げか?」


にこにことこちらを見るあなた。
いや、あとひとつ、候補はある。

これで違うと言われたら、死んでしまいそうだが。


『あの、』

「ん?」


どきどきとうるさい心臓を抑えながら深呼吸をする。

でも、私の中で考えられるのはあとこれしかないのだ。



『あなたが、私のこと、』


「うむ」


『す、好き?』



しーんっと沈黙が流れる。

やってしまった。
これは違うやつだ。

瞬時に察して彼に否定される前に必死で対策を考える。


『な、なーんて!そんなわけないy』

「ふふ、ははは!」

『え、』


あなたはいきなり笑い出す。

どうしてしまったのか。
おかしくなってしまったのか?

と慌てる。


「ようやく気がついたか!全く鈍感な奴め!
そういう所も好きだがな!」



と嬉しそうに笑う。


好き?


あなたが私を...?


自分で言っておいて理解ができない。

唖然としている私を見てまた楽しそうに笑う。


「本当に可愛いな!」


ははは!と私の頭をわしゃっと撫でる。


好き、


その言えなかったたった2文字をあなたはすんなりと私に伝えたのだ。



私の頬にはいつの間にか涙が流れていた。

あなたと記憶→←あなたと腕



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ねむこ(プロフ) - 柑橘蛍さん» 柑橘蛍さんコメントありがとうございます〜!わかります.....推しは尊いですよね....読んでくださってありがとうございますー! (2021年2月12日 12時) (レス) id: 81a8bcf75d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 今日も今日とて推しが尊い…! (2021年2月10日 0時) (レス) id: c6603d0c65 (このIDを非表示/違反報告)
ねむこ(プロフ) - 晶子さん» はじめまして!コメントありがとうございますー!記憶したい!?!そこまでですか〜!?感謝です... (2021年1月17日 0時) (レス) id: fdabd54cfd (このIDを非表示/違反報告)
晶子 - 初めまして!何ですかこの神作品は!?最高です( ; ; )何度も読み返してしまいます。。!!もう記憶してしまいたいくらい!! (2021年1月15日 20時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
ねむこ(プロフ) - 沙希さん» こちらこそありがとうございます...!!!!!!長編なので大変でしょうけど最後までよろしくお願いします...! (2021年1月10日 13時) (レス) id: fdabd54cfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむこ | 作成日時:2020年10月28日 8時

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