あなたが、【煉獄杏寿郎】

あなたと両親 ページ36

『ここまでで大丈夫』

「む、ご両親に挨拶を....」


家に着くちょっと前で杏寿郎くんを止める。

しかし、うちの両親は少しというか大分変わっているのであまり会わせたくないのだ。

まあ変わっているのは知っているとは思うが。


『だ、大丈夫だから！』

「あら！！」

『うっ』


なんとも聞き覚えのある声が響く。


『お、お母さん...』

「あらあらあら！杏寿郎くんじゃな〜い！」


始まってしまった。



「隣なのに全然見かけないから心配だったわ〜！かっこよくなっちゃって〜！」

『お母さんってば』

「あら、A〜！おかえりなさい〜！」

「お久しぶりです！相変わらずお綺麗で！」

「あら〜〜？そう〜？？ありがとう〜〜！」



そう。私の母親。
天然だ。すごく天然だ。


私が瑠火さんのようになりたいと思っていたのはこの天然な母を見ればわかるだろう。



『お母さん、お父さんは？』

「お父さんは今博打〜！」

『また.....』



父親は大の博打好き。何かと賭けては負けてを繰り返している。まあ阿呆だ。


なぜこの両親があの花屋さんを上手く経営していたのかがわからない。

でも早めに私に渡したということは楽したかったからだろう。

一応花屋の設立者は両親だから店の4分の1は2人に渡している。


今父が何で儲けてるかは知らない。



「あ、そうそう。この間お父さんがAを賭けて勝負してたんだけど〜」


『え？』


人をかけるってなんだ。
隣にいる杏寿郎くんもぴくりと反応する。



「見事！敗北しちゃったのでAはお嫁に行かないといけないのよね〜！」

『ん？』

「よもや！」



ぽかーんと私と杏寿郎くんの口が空く。
今母がなんと仰ったか私にはよく理解できなかった。

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