あなたと朝食 ページ34
朝食を作り終え、千寿郎くんと二人で居間に運ぶ。
千寿郎くんはとても手際がよく、お手伝いをしてくれてすごく助かった。
私は挨拶がてら槇寿郎さんのもとへ朝ごはんをお持ちする。
『おはようございます、起きていらっしゃいますか』
「....入れ」
『失礼します』
襖を開けるとこちらに背をむけ、庭を眺める槇寿郎さんがいた。
その背中はあの時よりも小さく、弱々しく見えた。
『ご挨拶が遅くなってしまい、申し訳ございません』
「お前は...」
少し振り向いた槇寿郎さん。
私の姿をみて驚いたのか目を見開いた。
『はい、花乃森Aでございます。ご無沙汰しております』
「......そうか」
『昨夜からお邪魔しております。朝食をお持ちしたので置いておきますね』
失礼します。とその場を離れる。
久しぶりに会った。
昔と違って今はとても弱々しく、頼りなさげだった。
昔は杏寿郎くんのように声も大きく、元気いっぱいで強い方だったのに。
なにがあったんだろう。
やはり奥様の死のせいだろうか。
難しいことを考えるのはやめよう。
私は2人のいる居間に急いだ。
。
。
「ご馳走様！」
「ご馳走様でした」
『ご馳走様でした〜』
今日もうまい！うまい！とご飯を食べてくれた杏寿郎くん。
千寿郎くんもおいしいです、と言ってくれたので安心した。
皿を片付け、暫くすると杏寿郎くんは練習着に着替えていた。
白い練習着から見える腕はとても逞しくてドキッとしてしまった。
「ごめんください〜」
ふと可愛らしい声が玄関の方から聞こえた。
「は〜い、空いていますよ〜」
千寿郎くんはお知り合いなのか、顔も見らずに家に入れる。
どなただろうか、
縁側から庭にいる杏寿郎くんを見つめていた私はちらりとこちらへ来る足音に耳をすませた。
すると可愛らしい女の子の姿があった。
思わず私も見惚れてしまう程。
彼女も私を見て目を見開いた。
「む！甘露寺！きたか！」
「れ、煉獄さん、この方は....」
「俺の幼馴染の花乃森Aだ！」
「まあ！」
あなたが！ととても可愛らしい反応をする。
桜のように綺麗な桃色と薄緑の髪。
花のように可愛らしい人だ。
なるほどな、と思う。
こういう子が好きなのか。
『初めまして、花乃森Aです』
「は、はじめまして..！甘露寺蜜璃といいます...!」
ふわりと笑う。
可愛らしい。
その言葉が似合う、素敵な方だった。
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ねむこ(プロフ) - 柑橘蛍さん» 柑橘蛍さんコメントありがとうございます〜！わかります.....推しは尊いですよね....読んでくださってありがとうございますー！ (2021年2月12日 12時) (
レス) id: 81a8bcf75d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 今日も今日とて推しが尊い…！ (2021年2月10日 0時) (レス) id: c6603d0c65 (このIDを非表示/違反報告)
ねむこ(プロフ) - 晶子さん» はじめまして！コメントありがとうございますー！記憶したい！？！そこまでですか〜！？感謝です... (2021年1月17日 0時) (レス) id: fdabd54cfd (このIDを非表示/違反報告)
晶子 - 初めまして！何ですかこの神作品は！？最高です（ ; ; ）何度も読み返してしまいます。。！！もう記憶してしまいたいくらい！！ (2021年1月15日 20時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
ねむこ(プロフ) - 沙希さん» こちらこそありがとうございます...！！！！！！長編なので大変でしょうけど最後までよろしくお願いします...！ (2021年1月10日 13時) (レス) id: fdabd54cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむこ | 作成日時：2020年10月28日 8時
