あなたと秘密 ページ22
それからは彼に夕飯をご馳走し、普通に時が過ぎていった。
「では!帰る!!」
戸締りはきちんとしてくれ!と満足そうににっこり笑って帰っていった。
なんだったんだ。
彼の後ろ姿を見つめながらゆらゆらとその場に座り込む。緊張が一気に解けたようだった。
心臓の鼓動がどんどんと早くなる。
今日は色々ありすぎた、
ゆっくりと立ち上がりそっと扉を閉めた。
。
。
『ってことがあって...』
「なるほどな〜」
次の日、今日もやってきた天元さんが険しい顔をしている私を見て、話しかけてきた。
話せ話せとうるさいため、昨日の出来事を少し話した。
我が物顔で会計台の横の椅子に座り、考え込む。
ハッとした顔をして私を見る。
「お前の好きなやつって煉獄か!?!?」
『え"!?!?』
ドキドキして仕方ないとかそういうことは言ってないはずなのに何故かバレてしまった。
『いや、あの..そうじゃ...』
「そうか〜....そうだったのか〜」
そりゃあ勝ち目ねえわ、なんてつぶやく彼。
今から誤魔化そうとしても無理みたいだ。
「ま、悔しいからなんでかはぜってー教えねえけどな」
『なんでですか...、意地悪な男性はモテないんですよ』
「そりゃあ残念、俺はモテる」
これは話した意味がなさそうだった。
はあ、と大きなため息を着く。
「幸せが逃げちまうぞ〜」
『誰のせいですか』
「俺になんか厳しくない?」
『別に、厳しくないです』
怒ってんのか〜と頭をつんつんつかれる。
この人たちのせいで私はいつもの調子を完全に取り戻せないでいた。
落ち着かないと。女性らしく、とまた母に怒られてしまう。
小さく咳払いをする。
今手入れをしている花を見つめる。
この花を扱っている花屋は珍しく、うちぐらいだろう。
花言葉は「あなたを愛しています」「はかない恋」
この花を贈られる女性は、幸せものだろう。
杏寿郎くんは誰にこの花を贈るのだろう。
少し悲しくなり目を細める。
花言葉など覚えている人はあまりいない。
花言葉、という言葉を知らない人もいる。
小さい頃は沢山、杏寿郎くんに教えたなあ
稽古で疲れているはずなのに、私と遊んでくれて。
今だってそうだ。
ひとり、女の子に稽古をつけているらしい。
忙しいのに私に時間を割いてくれて、
ふと思ったがその女の子が彼の好きな人なのではないか?
ありうる。
私は1人で考え、また落ち込んだ。
911人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねむこ(プロフ) - 柑橘蛍さん» 柑橘蛍さんコメントありがとうございます〜!わかります.....推しは尊いですよね....読んでくださってありがとうございますー! (2021年2月12日 12時) (レス) id: 81a8bcf75d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 今日も今日とて推しが尊い…! (2021年2月10日 0時) (レス) id: c6603d0c65 (このIDを非表示/違反報告)
ねむこ(プロフ) - 晶子さん» はじめまして!コメントありがとうございますー!記憶したい!?!そこまでですか〜!?感謝です... (2021年1月17日 0時) (レス) id: fdabd54cfd (このIDを非表示/違反報告)
晶子 - 初めまして!何ですかこの神作品は!?最高です( ; ; )何度も読み返してしまいます。。!!もう記憶してしまいたいくらい!! (2021年1月15日 20時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
ねむこ(プロフ) - 沙希さん» こちらこそありがとうございます...!!!!!!長編なので大変でしょうけど最後までよろしくお願いします...! (2021年1月10日 13時) (レス) id: fdabd54cfd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ねむこ | 作成日時:2020年10月28日 8時