あなたが、【煉獄杏寿郎】

あなたと私 ページ2

朝。


私は日が昇る前に目を覚ます。


寝起きはすごくいい方であり、
問題ないくすんなり起きることが出来る。

少し自慢だ。


あまり裕福な方では無いため煎餅のような布団で寝ているからか身体が凝りきっている。

欠伸とともに凝った身体を伸ばし
立ち上がり布団をたたむ。


今日は少し早く起きれたようだ。


まだ真っ暗な外を眺めながら顔を洗いに行く。


春とはいえ、明け方は少し冷えるため適当な羽織を着て朝食を作る。


1人分ではなく2人分。
いや10人分はあるかもしれない。


今もあの人は命をかけて戦っている。
頑張ったあの人にご褒美を作るのだ。


味噌汁に入れる具を切りながら今日もうまい！と笑う姿を想像しながらすこし頬を緩めた。


『ふぅ....よし、美味しい』


自分の独り言が響く寂しい部屋に日が差してきた。


ああ、そろそろ彼が来る。


胸を弾ませながら美味しく炊けた白米を大きなお茶碗によそいだ。

すると扉がドンドンドンと豪快な音をたてる。


『は〜い』


今日も帰ってきてくれた。
今日も生きててくれた。

私は急いで扉を開ける。


「おはよう！A！ただいま戻った！」


日の出を背に元気な顔を見せるあなた。

太陽のように眩しい笑顔。

炎のように輝く瞳。

たくましい大きな体。

風に揺れる綺麗な髪。



煉獄杏寿郎。




私の好きな人。

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