むらさきくんとしろくん (ページ3)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:59,012 hit

. ページ3

(ru)

「どうしたの？ふっかさん」

俺を見るふっかさんの目はいつもとは違って、
真剣でちょっと怒ってる…？感じ

「あれ？岩本くんは？」
「あー、インタビュー行ったよ、俺らだけだよ今」

不思議なタイミングでみんなインタビューだなあ、なんて考えていると、俺の隣に座ってきた

「だてさんと何話してたの？悩み？」
「えっ…あー…まあ」

悩みが貴方の事です。とか言えるわけない
けど、なんか怒ってる感じがして少し怖くなった

「ふっかさん…怒ってる…？」
「あ、いや怒ってるっつーか…」

初めて見る彼の焦り具合に思わずぽかんとしてしまった

「あー、唐揚げ食った？」
「うん、美味しかったよ。ありがと」
「そりゃ良かった」

ふっかさんの返事から、無言の時間が流れた

ちょっと気まずくてトイレに行こうと立ち上がると
ぐいっと腕を引っ張られる

「わっっ！」

思わずふっかさんの方に倒れて彼に抱き止められた

「ご、ごめん！！」

急いで離れようとすると〝離れんな〟という言葉が聞こえた

「えっ、なに…？」
「いや…あー」

何かを言おうとするふっかさん。

こんな抱き締められていたら、期待しちゃうよ。
俺単純だもん。

「俺さ、自分から告白したくないんだよね。」
「は？…あー、なんか言ってたね雑誌で」
「そう、だから今もしたくねえんだけどさ、」
「え？」

俺は鈍くない。鋭い方だと思う。
だから、嫌でも良い方に考えてしまう

「ねえ、ふっかさんって好きな人いるの？」

絶対に叶わないって決め付けていたのに、
諦めようと頑張っていたのに

「いるよ」
「誰？どんな人？」
「俺よりも背が高くてイケメン。ひとまわりくらい歳下。唐揚げが大好きな可愛い奴…かな。」

もしかして、だてさんもめめも知ってたの？

「俺、告白されたいなあ…」

ふっかさんはため息を吐いて抱きしめる俺を離すと、向き合う様に座った。

「あー、もう敵わないなラウには。好きだよ、ラウの事が好き。俺と付き合って欲しい。」
「…俺、…ガキだよ？」
「知ってるよ」
「恋愛した事ないよ？」
「俺が教えるし、全部俺が初めてが良い」

こんなにカッコいいふっかさん見た事ないや。

「俺も大好き！好き！！」

そう言うとふっかさんの手が俺の頬に添えられた

〝ファーストキス、貰うわ〟

微笑んだ彼の顔が一瞬近づいてそっと唇が重なった

「ふっかさん、好き！」

俺ね貴方の事が、好きすぎるんです