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「心配しなくても女の子とは真摯にお付き合いしますよー、まぁ恋人にはならないけど。」
「へぇ、随分余裕じゃないか。本当はストレートなんじゃないか?」
「……はは、面白いジョークだ。」
「案外、勘違いなんてことはないのか?女性でも大丈夫なのだろう?」
「…………。」
「……?どうした、いきなり黙って。」
先程まであんなに元気だったのに、急にすとんと静かになった。ふと後ろを振り返ると、Aはこちらを真顔で見つめてくる。不思議とその瞳を見ると、ゾクリと背筋に何かが走ったのを感じた。
「……。シーザー、忘れてるみたいだけど。」
「?何を……っ!?」
何かが呟かれたかと思うと、するりと首元に手が伸びてくる。それは鎖骨を緩やかになぞったかと思えば、不意に爪を立てて鋭い痛みを起こした。弾き出されたかのようにビクリと体が跳ねる。Aの顔を見れば、またあの瞳に吸い込まれるようだった。
「俺はいつだってシーザーのこと、そういう目で見てるからね。」
「……っ。」
鋭い視線が体を刺してくるようだ。真っ直ぐに見据えられた瞳はまるで心まで抉り出されそうで、体は硬直し抵抗を忘れる。チロリと唇を舐めた舌に目を奪われ、呼吸が詰まっていった。
「ここ。」
「……っや、めろよ。」
「唇で印付けられないのが残念。」
絞り出すように出した制止の声は、あまりに小さく空気に溶けていく。
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名無しの腐女子 - シーザーちゃん可愛いvv腐女子の私歓喜…ヒャッホホホォイッッ(。∀°)ってなりました(( 素晴らしい作品をありがとうございます!更新頑張ってください!! (2020年9月27日 19時) (レス) id: 20805bb7d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニトログリセリン | 作成日時:2020年1月1日 18時