ずっと、もっと。 (ページ24)

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「俺も変なところ臆病だからさ
回りくどい言い方したけど、あの時言ったAの
答えが多分事実なんだろうなって」

違う、事実なんかじゃない

今からでも遅くないのかな？

そう思いながら支えていたうみの身体に触れる

「それで俺、下手に思い伝えて親友ですら
いられなくなったら嫌だなって思って、
高校卒業を機にきっぱり諦めた」

「うみ、」

「で、やっといいなーって思える人が現れてさ
今度は回りくどくいっちゃダメだ！って思って
思い切って行動したらさ…今、すごく幸せ」

他の人を想って笑ううみを見て

今からでも遅くないんじゃないか、
なんて考えた自分が馬鹿馬鹿しくなり離れる

「…結局最後は惚気かい！」

泣いちゃダメだ、と明るく振る舞う

「うん、そういうこと～よし、おうち着いたね！
じゃあ、おやすみ～」

だいぶ落ち着いてきたのかフラフラとあまりせずに
うみの背中が遠くなっていく

家に入り靴を脱ぐと、

体の力が抜けその場に崩れ落ちる

「今更そんなこと言わないでよ…」

うみと本当は両想いだったこと

でもその可能性を私自身が潰したこと

そして、

もう恐らく2度と
彼の気持ちが私に向くことはないこと

一気に理解した途端、

「…嫌いになりたいなぁ…っ……」

今まで流せなかった分の涙が溢れるように

声をあげて泣いた