ずっと、もっと。 (ページ23)

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「だからー！高校の時、好きだったの」

いま彼は何を言っているのか

うみが高校の時に私のことが好きだった？

黙っている私を気にもせずうみが続ける

「高校の修学旅行でさ
＂俺たちってなんなんだろうね＂って聞いた時
お前さ、なんて言ったか覚えてる？」

うみの言葉を聞いた途端、
はじめてうみに対して抱いた＂後悔＂から
無意識に蓋をしていた思い出が蘇る

高校2年生の修学旅行。
泊まっていたホテルから見える朝日が綺麗らしいと
2人でこっそり早起きして部屋を抜け出して合流した

朝日を見ながらうみが言った言葉。

＂俺たちってなんなんだろうね＂

その言葉の意図がわからなくて
…正しくは私がこうであってほしいと願望を込めた
意図とうみの意図が合っているのか
向き合うのが怖くて、

＂何って、唯一無二の親友じゃないの？＂

明るく私はそう言った

その日を境に

うみは何かあるごとに
私を＂親友＂と呼ぶようになった

私はあの日なんと答えたら良かったのか、

その答えは未だ分からないまま思い出に蓋をしていた