ずっと、もっと。 (ページ16)

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「おつかれさまでした！」

＂おつかれ～気をつけて帰るんだよ＂と
店長の声を背中で聞きながら店を出る

表通りに出るとポケットの中でスマホが震えた

「もしもし？」

「もしもーし、バイトお疲れ様です」

明るいその声は電話越しではなく

「びっくりした、待っててくれたの？」

正面の少し離れた場所から聞こえた

「俺もあのあと急にバイト入ったんです
ちょうど終わったから来ちゃいました」

「そっか、元太くんもおつかれさま」

小走りで近づいて隣に並ぶ

「今日びっくりした、来ると思わなかった」

「俺も行く気なかったんですけど
偶然海人さんに会って連れてかれました」

「なるほどね(笑)想像つく」

うみは元太くんのこと大好きだもんなぁと
無意識にうみの顔を思い浮かべた

「…相変わらず
海人さんのこと大好きって顔しますよね」

「えっ！？…まぁ事実だもん」

にやけてたかな、と顔を隠すと
そうはさせまいと元太くんが覗き込む

「でも怜奈さんと順調そうですよ」

「…わざわざ言わないでよ」

ぽん、と元太くんを軽く殴ると

「ふは、ごめん！…うちくる？」

こてんと首を傾げるその姿に

結局流される私も私だなと、

そっと耳についたピアスに触れた