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・鉢合わせ ページ18





「じゃあ、また来るね。」





翌朝、玄関を開けて一歩外へ出た裕太が、こんにちはと挨拶をした。




この階には2部屋しかないんだから、裕太が誰に挨拶したかなんて見なくても明白で……。





「あ、どもー。」



急いで靴を穿いて一歩出ると、やっぱり北山さんがいて、白々しく挨拶をしてきた。



「こ、こんにちは……。裕太っ、待って!下まで送るっ。」


「わっ。ふふっ、そんな急いだら転んじゃうよー?」



玄関から見送るだけのつもりだったけれど、北山さんに見られるのを躊躇い、素早く挨拶を済ませた私は、お互いの部屋の真ん中にある階段を駆け降りた。





「気をつけてね。」


「うん、ちゃんと安全運転するよ。」


「時間のある時はできるだけ自炊して、栄養のあるもの摂ってね。」


「ふふふっ、うん。」


「え、なに?なんでそこで笑うの?」


「なんかAちゃんがお母さんみたいだから。」


「ひどいっ。私はただ裕太の心配してるだけなのにっ。」


「ふふふ、ちゃんとわかってるよ。」



ありがとうと言う裕太の唇が、おでこにちゅっと押し当てられる。




「じゃあね、Aちゃん。」


「うん、またね。」



近所にあるパーキングまで歩く裕太に手を振ってから階段を上がった。








.







「みーちゃった。」



階段を上り切ると、再びお隣の扉が開いて、ひょっこり北山さんが顔をだしてきた。



「見ないでくださーい。」


「んふふっ、偶然でわざと見てたわけじゃないんだし、いいじゃん。」




昨日のことがあって、顔を合わすのが恥ずかしい。


本当はちゃんとお礼も言わなきゃなのに……。



「あのっ!」


「んー?」


「あの、昨日はありがとうございました。なんていうか……すごく助けられたというか、慰めてくれてありがとう……。」


どうにかお礼を伝えると、一瞬、間があって。




「ねえ。さっきの、彼氏?」


「そう……。」


「泣いてたのって、彼氏とのこと?」



昨日の今日でなんでそんなこと聞くのよ。


デリカシーなさすぎるから。


「ねえ、あの彼氏とのことで泣いてたんだろ?」


「………言いたくないっ。」


「ふふっ。つーかAちゃんの彼氏、めちゃくちゃカッコいいな。」


「そ、それはどうも。」



カッコいい人にカッコいいと言われて悪い気はしないし、寧ろ、彼氏を褒められて照れてくる。

・親友との時間→←・疎ましい存在



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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 玉森裕太 , 北山宏光   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ミツ葉(にかみつば) | 作成日時:2022年5月20日 5時

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