【ハイキュー】思考するサバイバル【人狼ゲーム】 (ページ9)

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満足気に二人に礼を述べた及川は再び皆の方を向いて話し出す。
「これからやることをまとめると、まず一つ目、出口や外部との通信機器や食料、他に人がいないかどうかを調べるための探索。二つ目、例の冊子から人狼の細かなルール、ここでの過ごし方を確認。3つ目、そのまんま人狼ゲームについての話し合い。
個人的には一つ目二つ目は同時進行でいいとして、三つ目に関しては全員でちゃんとルールを把握してから話し合いをしたほうがいいと思うんだけど、どう思う？」
　彼が質問を投げかければ賛成の意を口にしたり無言で頷いたりと各々の反応が返ってくる。おおまかな方針はこれで決まりのようだ。
「よし、決まりだね。今更だけどこの冊子持ってきた人って何人いる？」
　及川が予め自分が部屋から持ち出した冊子を掲げて聞けば、十名ほどが同じように掲げてみせた。
「こんだけありゃ部屋に一旦取りに帰る必要もねーな」
「探索のチーム分けは単純に高校ごと、残り五冊は冊子確認に使う感じだな。冊子の方に回りたいやつ五人まで、誰かいるか？」
　花巻の言葉に岩泉が内訳を付け足し、その流れで冊子チームの希望者を募る。周りのを確認しながらおずおずと手を挙げたのは月島、孤爪、国見、白布、角名だった。なお、全員自分の冊子を持参しているようで、そこから彼らの知能の高さが伺い知れる。なお、そのことに周りが集団を抜ける彼五人に感嘆の声をあげれば彼らは一様に顔を顰めた。
「今更だけどこれって自分の冊子他の人に見せていいのか？」
「他のやつの冊子見たら駄目とかだったら、ゲームマスターが部屋のことと一緒に言ってるだろうしんいいんじゃない？」
「なら別にいっか」
　次は探索組の番だということで皆自然と各校の冊子を持つ人物の元に集まる。そこでふと浮かんだ疑問を木葉が口にすればチームメイトの猿杙からなんともふわふわした答えが返ってきたので木葉もそのままふわふわと納得した。
　今彼らが全員で覗き込んでいるページは所謂館内地図というもので、パッと見ただけでは先程廊下で見たものと同じ地図に見える。建物を平面図で見ると綺麗な円の形をしており、今彼らがいる法廷はその中心部分に位置する。そしてその法廷を囲むように参加者の宿泊部屋を含めたいくつかの部屋が円になって並んでおり、更にその外側に廊下を挟んで複数の部屋が円状に並んでいる。部屋の内訳や大きさは違えど、同じような構造のフロアが三階分あることが冊子には記されていた。

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