0日目45 ページ46
「まず、この作戦のメリットは第一に、言わずもがな全体の役職を把握できること。第二に、まだ人狼が会議をしていないかつ全員揃っている今日行うことで、役職騙りの重複、もしくは誰も役職を騙らないという結果が望めること。
一方デメリットとして万が一共有者自体が人狼陣営だった場合、その有利がそっくりそのまま人狼陣営に流れてしまうこと。……けど、こうして僕以外に共有者が出てこないということは僕が共有者ということで確定なのでその点についてはご安心ください。
こちらの作戦について、他に何かしら懸念事項がある方はいたら挙手をお願いします」
余裕綽々といった態度で何らかの講師のように明瞭な説明を締めくくる月島。その作戦の概要に、どこからともなく拍手が沸き起こる、それは正しく大多数の者の賛成の意であった。
(大地……？)
だが一人、一番前の席で書記の役をこなしていた菅原は、三年間決して薄いとはいえない時間を共に過ごしてきた友人の歓喜のムードとは対照的な表情に不安を覚える。そして、月島の後ろの辺りに静かに佇んでいたその暗い表情の彼は、静かに手を挙げて食堂内に響く拍手の音を静止させた。そんな彼らの視線を追って、月島もまた澤村の方を振り返る。
「……どうしましたか澤村さん、この作戦になにか問題でも？」
「問題……、ああ、そうだな、この作戦には大きな問題がある、だから、俺は決行に賛成できない」
どよ、と明るい雰囲気に包まれていた食堂に動揺が走った。それは先程まで朗々と語っていた彼も同じで、一つメガネのフチを持ち上げ位置を直すと、彼は額に冷や汗を流しながらも自身のチームのキャプテンにあたる澤村に向き合った。
「共有者は俺だ」
静まり返った食堂内で再び息を呑む音が響いた。
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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (
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作者名：星を廻せ | 作成日時：2023年3月19日 7時
