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きっと私は辛かった。大切な彼女が必要以上に傷付き、そしてそれを何とも思わずにまた戦いに行く事が。
鬼殺隊の中には、色んな理由を抱えた者が居る。最も、何となくで入隊した者の方が数としては多いが、理由がある者の戦う理由には、簡単には聞けない複雑な事情があった。
だから、はっきり言ってその質問は不躾な物だ。人にはそれぞれの物語があるのだから。
けれど、知りたいと思った。知って欲しいとも思った。Aの事が、好きだから。
彼女は嫌な顔をする事無く話してくれた。愛する人を鬼に変えられ、自分の手でその首を跳ねた事を。
彼女の瞳は、透明な色をしていた。悲しみを乗り越えたら、こんな色になるのだろうと思った。
彼女が感じたその苦しさを、その色の恐ろしさを、私が全て理解し切る事は無いだろう。
それでも私は、Aと居たい。その隣で、手を繋いで歩きたい。失う事の怖さから愛に臆病になっていた彼女を、私の手で救いたかった。
『それでも、しのぶさんと出逢ってからは、何だか明るいんですよ。』
「え…」
『…幸せや、癒しって、こんな色だったんだって。私にその景色をもう一度見せてくれたのは、しのぶさん、貴女です。』
私を見つめながらゆっくりと言葉を紡ぐAに、心臓が煩かった。
期待しても良いのだろうか。もう少し踏み出して歩み寄れば、彼女の心に触れられるのだろうか。
「…私も、貴女の隣に居ると、世界が綺麗に見えるわ。」
沢山失った。叶うのならばどんな手を使ってでも取り戻したい程のものを、沢山。傷だらけの私達は、そんな私達だからこそ、こうして手を取り合えるのかもしれない。
姉さん、私を強くしてくれる人と出逢えたよ。もう少し時間は掛かりそうだけれど、どうか見守っていてね。彼女となら私は、どんな事も乗り越えられると思うから。
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廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (11月12日 17時) (
レス) @page22 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - めっちゃ最高です。続きが気になります。更新気長に待ってますので頑張ってください！ (2021年9月27日 22時) (レス) @page22 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
儚(プロフ) - 七稀さん» 七稀さん、読んでくださってありがとうございます。ゆるゆると更新していくので、これからもよろしくお願いいたします！ (2020年5月17日 2時) (レス) id: 375c81672d (このIDを非表示/違反報告)
七稀(プロフ) - めっちゃ好きです！これからも楽しみにしてます!! (2020年5月16日 21時) (レス) id: e9601a34de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕月 | 作成日時：2020年5月9日 2時
